クレーム・トラブルの初期対応|まず聞く・確認する・引き継ぐ

営業実務

SALES-16では、 契約後の通常の問い合わせについて、 お客様が何に困っているのかを整理し、 正しい窓口と次の行動へつなぐことを学びました。

しかし現場では、 通常の問い合わせだけでは 対応しにくい場面もあります。

「聞いていた話と違う」 「何度連絡しても直らない」 「仕事ができなくて困っている」 「返金してほしい」 「責任者を出してほしい」

このような時、 新人営業が焦って その場ですべて解決しようとする必要はありません。

また、 お客様の怒りに対して反論したり、 原因・責任・返金・補償等を 営業担当者だけで決めたりしてはいけません。

まず話を聞きます。 何が起きているのかを整理します。 確認できている事実と未確認事項を分けます。

そして、 営業担当者の判断範囲を超える内容は、 正式な組織ルールに従って 適切な担当へ引き継ぎます。

VIDEO

まず動画で全体像を確認しましょう

SALES-17「クレーム・トラブルの初期対応」の重要なポイントを、 約4分の動画で確認できます。 まず動画で全体像をつかみ、 詳しい内容はこのページの本文で確認してください。

SALES-17|クレーム・トラブルの初期対応|まず聞く・確認する・引き継ぐ 動画時間:約4分

この研修の3行まとめ

  1. クレーム・トラブルでは、最初に反論せず、お客様の話を受け止める。
  2. 感情・主張・確認済み事実・未確認事項を分け、原因や責任を勝手に決めない。
  3. 営業担当者の権限を超える内容は、安全に正式な担当へ引き継ぐ。

このページで学ぶこと

  • クレーム・トラブル初期対応の基本
  • 最初に反論しない理由
  • 受け止めることと責任を認めることの違い
  • 感情と事実を分ける方法
  • 説明相違が起きた時の確認方法
  • 原因・責任を推測しない考え方
  • 返金・値引き・補償等を勝手に約束しない基本
  • 責任者・専門担当への引き継ぎ
  • 安全・個人情報等の重大な問題への対応
  • 引き継いだ後の流れをお客様へ伝える方法

SALES-16の通常問い合わせから、一段階対応を切り替える

SALES-16では、 通常の問い合わせについて次の流れを学びました。

1 聞く
→
2 状況整理
→
3 内容分類
→
4 対応先確認

しかし、 強い不満・説明相違・重大な影響等がある場合は、 通常問い合わせの延長だけで処理しない方がよい場面があります。

研修 役割
SALES-16 通常問い合わせを整理し、正しい窓口へつなぐ
SALES-17 クレーム・重大トラブルの初期対応を行い、安全に引き継ぐ
SALES-18 営業実務全体を独り立ち前に総確認する
SALES-17|中心メッセージ

その場で解決しようとしない。
まず聞く。
事実を確認する。
必要な担当へ引き継ぐ。

この研修でいう「クレーム・トラブルの初期対応」とは?

定義

お客様の話を受け止め、
何が起きているかを整理し、
営業担当者だけで判断せず、
適切な担当へ安全に引き継ぐこと。

SALES-17は、 クレームを言い負かす研修ではありません。

また、 謝罪すれば何でも解決する、 という研修でもありません。

新人営業が覚えるべきなのは、 初期対応の安全な流れ です。

クレーム・トラブル初期対応の基本フロー

1 受け止める 反論しない
→
2 話を聞く 何があった?
→
3 事実確認 何が分かる?
→
4 影響整理 何に影響?
5 判断しない 権限を超えない
→
6 引き継ぐ 正式な担当へ
→
7 次の流れ この後どうなる?
原則

怒りに反応するのではなく、
対応の流れへ戻る。

最初の一言で「反論」を始めない

お客様から、 たとえば次のように言われたとします。

  • 「聞いていた話と違います」
  • 「こんな料金だとは聞いていません」
  • 「工事できると言ったじゃないですか」
  • 「ネットが使えなくて仕事になりません」
  • 「何度連絡しても直らないんですけど」
  • 「あなたの説明が間違っていたんじゃないですか?」
×

最初に返さない言葉

  • 「説明しました」
  • 「資料に書いてあります」
  • 「こちらは悪くありません」
  • 「お客様の勘違いだと思います」
最初の目的

正しさを証明することではなく、
何が起きているのかを把握する。

「受け止める」と「全面的に責任を認める」は違う

✓

受け止める言葉

  • 「ご不便が続いている状況なんですね」
  • 「聞いていた内容と違うと感じていらっしゃるんですね」
  • 「ご心配をおかけしている状況ですね」
  • 「まず、何が起きているか確認させてください」

これらは、 お客様が感じている不便・不満・心配を 受け止めるための言葉です。

直ちに会社の法的責任や 損害賠償責任等を認めることとは分けて考えます。

「謝意・配慮」と「責任認定」「補償約束」を分ける

謝意・配慮 責任認定 補償約束
「ご不便をおかけして申し訳ありません」 「完全に当社の責任です」 「全部補償します」
不便・心配等へ配慮を示す 誰に責任があるかを判断する 金銭・補償等を約束する
状況に応じて営業担当者も使える 営業担当者だけで決めない 権限・正式手順を確認する
!

「謝ってはいけない」ではない

お客様へ不便・心配等が生じている状況で、 配慮ある言葉まで避ける必要はありません。

ただし、 未確認の責任や補償まで 営業担当者が確定させない ことが重要です。

感情・主張・確認済み事実・未確認事項を分ける

分類 例
感情・不満 「非常に困っている」「納得できない」
お客様の主張 「営業担当者から工事費無料と聞いた」
確認済み事実 現在の正式な申込内容には工事費の表示がある
未確認事項 営業時にどのような説明が行われたか
POINT

お客様の感情は受け止める。
事実は別に確認する。

クレーム時ほど「確認済み/不明/要確認」を崩さない

状態 考え方
確認済み 正式資料・システム・記録等で現在確認できている
不明 現時点では分からない
要確認 責任者・専門部署・正式資料等で確認が必要
大切

怒られている時ほど、
分からないことを勝手に埋めない。

「聞いていた話と違う」は、SALES-13の3点照合へ戻る

1 営業中の説明 何を案内した?
↔
2 正式な契約内容 正式条件は?
↔
3 お客様の認識 どう理解していた?
×

言った・言わないにしない

  • 「私は言っていません」
  • 「説明しましたよね?」
  • 「資料にも書いてあります」
  • 「証拠がありますか?」

最初から「お客様の勘違い」と決めつけない

説明相違が起きた時には、 お客様側の認識だけでなく、 営業側の説明についても確認します。

営業側にも、 たとえば次の可能性があります。

  • 説明不足
  • 誤った説明
  • 古い情報による案内
  • 伝え方が分かりにくかった
  • 重要条件の確認不足
基本

誰の勘違いかを決める前に、
3つの内容を確認する。

原因を営業担当者が先に決めない

×

NG|技術

  • 「ルーターの故障ですね」
  • 「工事会社のミスです」
  • 「回線障害です」
×

NG|料金

  • 「請求ミスです」
  • 「割引漏れですね」
  • 「システムの不具合だと思います」
✓

GOOD

「原因については私の推測で決めず、 現在確認できている状況を整理して 正式な担当へ確認します」

初期対応で「誰が悪いか」を決めない

最初の段階で、 次のような責任認定をしません。

  • 営業担当者が悪い
  • 工事担当者が悪い
  • サポートが悪い
  • 店舗が悪い
  • システムが悪い
  • お客様が悪い
順番

責任を決める前に、
事実を確認する。

「その場で言えること/正式確認が必要/約束してはいけないこと」を分ける

その場で言えること 正式確認が必要 勝手に約束しない
「まず状況を確認します」 原因・責任の所在 「完全に当社の責任です」
「ご不便が続いている状況なんですね」 料金・正式契約条件 「返金します」
「確認済みと未確認を整理します」 補償・値引き等の可否 「全部補償します」
「適切な担当へ引き継ぎます」 対応時期・解決方法 「今日中に必ず解決します」

返金・値引き・補償等を、その場で約束しない

お客様から、 次のような要望が出る場合があります。

  • 「料金を返してください」
  • 「工事費を無料にしてください」
  • 「今月分を値引きしてください」
  • 「損害を補償してください」
×

NG

  • 「分かりました」
  • 「返金します」
  • 「無料にします」
  • 「全部補償します」
✓

GOOD

「返金・補償等については、 私の判断だけでお約束せず、 正式な判断手順へ引き継ぎます」

「責任者を出してください」と言われたら、引き止めない

✓

GOOD

「責任者による対応をご希望ということですね。 正式な引き継ぎ手順を確認します」

!

時間は未確認で保証しない

  • 「今すぐ上司が出ます」
  • 「5分以内に責任者から電話します」
  • 「今日中に必ず責任者から連絡します」

などを、 正式な対応状況を確認せず約束しません。

一人で抱え込まず、正式なエスカレーションへ切り替える

たとえば次のような場合は、 営業担当者一人で結論を出しません。

  • 強い怒り・不満がある
  • 営業時の説明相違がある
  • 何度対応しても未解決
  • 重大な業務影響が出ている
  • 返金・補償・金銭要求がある
  • 契約上の重大な争点がある
  • 安全に関する問題がある
  • 個人情報に関する問題がある
  • 法的な主張がある
  • SNS・報道・行政等への言及がある
  • その他、営業担当者の権限では判断できない
!

全国共通教材

「店長」「課長」「本社○○部」等、 特定組織の引き継ぎ先は固定しません。

実際の責任者・専門担当・連絡方法は、 所属組織の正式ルールに従います。

「通常問い合わせ/クレーム・トラブル/緊急・安全上の問題」を分ける

通常問い合わせ クレーム・トラブル 緊急・安全上の問題
契約内容・利用方法等を確認したい 強い不満・説明相違・重大な影響等 安全・重大事故等に関係する可能性
SALES-16の通常対応 SALES-17の初期対応 通常営業対応を続けず正式な緊急手順へ
正しい窓口・次の行動へ 事実整理・引き継ぎ 営業担当者だけで処理しない

店舗・法人では「どこまで業務に影響しているか」を確認する

たとえば、

  • 決済が停止している
  • 電話が利用できない
  • 予約システムが使えない
  • 業務システムが停止している
  • VPNが利用できない
  • 複数拠点で通信できない

この場合、 どのサービスが、 どの範囲で、 どの業務へ影響しているかを整理します。

!

新人が独自認定しない

営業担当者が 「重大障害です」 「軽いトラブルです」 と独自基準で認定せず、 正式な緊急・エスカレーション基準へつなぎます。

安全に関係する可能性があるなら、通常の営業対応を続けない

感電・火災・設備破損等、 安全に関係する可能性がある相談は、 通常の料金・契約問い合わせとは分けます。

安全

営業担当者が技術処置を自己判断せず、
正式な緊急・安全対応手順へつなぐ。

!

全国共通教材では

特定設備についての具体的な技術処置までは このページで固定しません。

実際の安全対応は、 サービス・設備・所属組織の正式手順を確認します。

個人情報の誤送信・紛失・誤表示等が疑われたら、BASE-02へ戻る

たとえば、

  • 他人の契約情報が表示された
  • 別のお客様の書類が届いた
  • 個人情報を誤送信した可能性がある
  • 個人情報を含む資料を紛失した
  • 本来共有すべきでない相手へ情報を共有した可能性がある
BASE-02

必要な時に、
必要な人が、
必要な範囲で扱う。

×

NG

営業担当者が勝手にデータや履歴を削除し、 「消したので問題ありません」 と処理を終える。

✓

GOOD

個人情報に関する事故・その可能性として、 正式な社内報告・事故対応手順へつなぎます。

「録音しています」「SNSに書きます」と言われても感情的にならない

×

NG

  • 「録音を止めてください」と感情的に言う
  • 「SNSには絶対書かないでください」と迫る
  • その場で法律上の可否を断定する
  • 言い返す
✓

GOOD

「現在の問題について、 まず事実関係を整理します。 必要に応じて正式な責任者へ引き継ぎます」

「消費者センターに相談します」と言われても止めない

×

NG

  • 「相談しないでください」
  • 「そこまで大げさにしなくても」
  • 「相談しても意味がありません」
✓

GOOD

「現在の問題について、 こちらでも確認できていることと 未確認のことを整理し、 必要な担当へ引き継ぎます」

営業担当者がその場で法的な見解を述べる必要もありません。

クレーム中の「もう解約したい」を妨げない

お客様が明確に 「契約をやめたい」 「解約したい」 と伝えた場合、 クレーム対応を理由に手続きを妨げません。

✓

GOOD

「解約をご希望ということですね。 今回の契約についての正式な手続き・条件を 確認できる窓口へつなぎます」

!

制度を営業担当者が即断しない

解約・変更・解除等の適用条件は 契約・サービスによって正式確認が必要な場合があります。

SALES-17では、 制度の判定ではなく、 正式な確認へつなぐところまでを扱います。

未確認事項が多い時に、その場で結論を出さない

×

即断しない

  • 「こちらが悪いです」
  • 「お客様が悪いです」
  • 「返金できます」
  • 「返金できません」
  • 「契約は無効です」
  • 「契約は有効なので何もできません」
初期対応

結論より先に、
事実を揃える。

引き継ぐために、最低限の事実を整理する

  1. いつ起きたか
  2. どこで起きたか
  3. 何が起きたか
  4. どのサービスについてか
  5. 誰とやり取りしたか
  6. どの説明が問題になっているか
  7. 現在どのような影響があるか
  8. これまでどこへ問い合わせたか
  9. 現在何がまだ解決していないか

事実確認を「尋問」にしない

×

責める聞き方

  • 「いつ言いました?」
  • 「証拠はありますか?」
  • 「本当にそう聞いたんですか?」
  • 「誰がそんなことを言ったんですか?」
✓

整理する聞き方

  • 「どのタイミングでその説明を聞かれたか確認させてください」
  • 「どのような内容だったと認識されているか教えていただけますか?」
  • 「現在確認できている内容と一緒に整理します」
目的

事実確認の目的は、
反論することではなく、
正しく引き継ぐこと。

クレーム記録を、営業担当者の私物で管理しない

×

NG

  • 個人スマホのメモへ記録する
  • 個人クラウドへ保存する
  • 個人LINEへ顧客情報を送る
  • 私物のノートへ必要以上の個人情報を残す
✓

GOOD

必要な記録は、 正式なCRM・顧客管理システム・ 社内の事故/苦情記録手順等に従って行います。

引き継ぎ時は「何を伝えるか」を整理する

項目 整理する内容
困っていること お客様が現在最も困っていること
お客様の主張 どのような説明・対応だったと認識しているか
確認済み事実 正式に確認できている情報
未確認事項 まだ分からない・要確認の内容
現在の影響 利用・生活・業務等へどのような影響があるか
これまでの対応 誰が何を確認・案内したか
お客様の希望 何を求めているか
緊急性 影響範囲と正式な緊急基準への確認
次の確認 誰が何を確認する必要があるか

「担当へ伝えておきます」だけで終わらない

お客様にとって重要なのは、 引き継がれた後に 「次にどうなるのか」 です。

可能な範囲で整理すること

  • 何を引き継ぐのか
  • 次に誰・どの窓口が確認するのか
  • どのような方法で案内される予定か
  • お客様側で今行うことがあるか
  • まだ未確定のことは何か
✓

GOOD

「ここまで確認した内容を整理して 正式な担当へ引き継ぎます。 次の対応方法についても確認してご案内します」

「すぐ折り返します」を安心させるためだけに使わない

×

NG

  • 「10分以内に折り返します」
  • 「今日中に必ず解決します」
  • 「すぐ担当から電話します」

と、 対応状況を確認せず約束する。

✓

GOOD

「次の対応時期・方法についても 正式な運用を確認したうえでご案内します」

怒っているお客様へ、長い説明を一気に詰め込まない

感情が強い状態で、 長い制度説明・料金説明・会社ルールを 一気に説明しても、 さらに話が複雑になる場合があります。

1 まず聞く
→
2 論点整理
→
3 必要な説明
順番

説明する前に、
聞く。

相手の強い口調に、同じ強さで返さない

×

NG

  • 声を荒げる
  • 皮肉を言う
  • ため息をつく
  • 途中で話を遮る
  • 言い負かそうとする
✓

GOOD

落ち着いた声量で、 必要な内容を一つずつ確認します。

ただし、暴言・威圧・危険行為を一人で我慢し続けない

クレーム対応だからといって、 どのような言動にも 営業担当者一人で耐え続ける必要がある、 という研修にはしません。

たとえば、

  • 継続的な暴言
  • 脅迫的な発言
  • 強い威圧
  • 危険を感じる行為
  • その他安全上の問題
営業担当者の安全

一人で抱え込まず、
組織の正式な責任者・安全対応手順へつなぐ。

家庭/店舗・事業所/法人で、問題の焦点は変わる

確認 家庭 店舗・事業所 法人
主な問題 料金・工事・テレビ・Wi-Fi・電話・説明相違等 決済・予約・電話・営業停止・工事影響等 VPN・固定IP・複数拠点・業務停止・契約条件等
影響 生活・通信利用への影響 売上・営業・顧客対応への影響 部門・拠点・全社業務への影響
関係者 契約者・家族・利用者等 店長・経営者・現場担当等 情シス・契約担当・経営層・各拠点等
初期対応 事実整理・正式窓口へ 事業影響も整理してエスカレーション 影響範囲と関係者を整理して正式対応へ

GOOD/NG|初期対応の違い

GOOD NG
まず話を聞く 最初から反論する
不便・不満を受け止める 「こちらは悪くない」と返す
感情と事実を分ける 怒っている=相手が間違っていると考える
未確認事項を残す 分からない部分を推測で埋める
原因・責任を正式確認する 工事会社等の責任と決めつける
補償は正式判断へつなぐ 返金・補償を約束する
適切な担当へ引き継ぐ 新人一人で抱え込む
次の流れを説明する 「担当へ伝えます」で終わる

GOOD|望ましいクレーム・トラブル初期対応

✓

GOOD

  • まずお客様の話を聞く
  • 不便・不満・心配を受け止める
  • 必要に応じて配慮ある謝意を示す
  • 感情と事実を分ける
  • お客様の主張と確認済み事実を分ける
  • 確認済み/不明/要確認を使う
  • 説明相違はSALES-13の3点照合へ戻る
  • 営業側の説明不足等の可能性も残す
  • 原因を推測しない
  • 責任を勝手に決めない
  • 返金・補償等を勝手に約束しない
  • 現在の影響範囲を整理する
  • 重大な業務影響は正式な緊急基準へつなぐ
  • 安全問題は通常対応から切り替える
  • 個人情報事故等は正式な事故対応へつなぐ
  • お客様が望んでいることを確認する
  • 引き継ぎ内容を整理する
  • 必要に応じて責任者・専門担当へ引き継ぐ
  • 次の対応の流れをお客様へ案内する
  • 危険・威圧的状況を一人で抱え込まない

NG|避けたいクレーム・トラブル初期対応

×

NG

  • 「説明しましたよね」
  • 「それはお客様の勘違いです」
  • 「こちらは悪くありません」
  • 「工事会社のミスです」
  • 「完全にこちらのミスです」
  • 「返金します」
  • 「無料にします」
  • 「全部補償します」
  • 「責任者がすぐ電話します」
  • 「今日中に絶対解決します」
  • 「SNSに書くのはやめてください」
  • 「消費者センターには相談しないでください」
  • お客様の話を途中で遮る
  • 声を荒げる
  • 長い説明で押し返す
  • クレーム内容を私物端末へ保存する
  • 危険を感じても一人で対応し続ける

新人営業がやりがちな失敗

01

すぐ全面謝罪

状況確認前に 全責任まで認める。

02

逆に一切謝らない

不便への配慮まで 避けてしまう。

03

「説明した」と反論

言った・言わないに してしまう。

04

勘違いと決める

お客様側だけに 原因を求める。

05

原因を断定

技術・料金原因を 推測する。

06

責任部署を断定

工事・サポート等の 責任と決める。

07

返金を約束

権限確認前に 金銭対応を約束する。

08

補償を約束

「全部補償」 と言ってしまう。

09

時間を約束

解決時間を 未確認で保証する。

10

長く説明する

怒っている相手へ 制度説明を詰め込む。

11

途中で遮る

自分の説明を 優先する。

12

引き継がない

自分で何とかしようと 抱え込む。

13

私物へ記録

個人スマホ等に 履歴を残す。

14

全部我慢する

暴言・危険行為も 一人で受け続ける。

15

通常問い合わせ扱い

強い不満を SALES-16のまま処理する。

現場で使える基本フレーズ

  1. 「ご不便が続いている状況なんですね」
  2. 「聞いていた内容と違うと感じていらっしゃるんですね」
  3. 「まず、何が起きているか確認させてください」
  4. 「私から結論を決めず、確認できている事実を整理します」
  5. 「営業中の説明と正式内容に違いがないか確認します」
  6. 「この点はまだ要確認です」
  7. 「私の判断だけで原因を決めず、正式に確認します」
  8. 「補償等については私の判断でお約束せず、正式な担当へ確認します」
  9. 「現在どのような影響が出ているか確認させてください」
  10. 「ここまでの経緯を整理して、適切な担当へ引き継ぎます」
  11. 「何を引き継ぐかを確認したうえでご案内します」
  12. 「次の対応について正式な手順を確認します」
  13. 「強いご不満がある状況なので、責任者を含めた正式な対応へ切り替えます」
  14. 「安全面が関係する可能性があるため、通常対応を続けず正式な手順へつなぎます」

会話例|「聞いていた料金と違います」

お客様

聞いていた料金と 実際の請求額が違うんですけど。

営業担当者

聞いていた料金と違うと感じていらっしゃるんですね。 ご心配をおかけしています。

まず、 営業中にどの金額をご案内したか、 現在の正式契約内容、 今回の請求内容を分けて確認します。

私から原因を決めず、 確認できていることを整理して 正式な担当へつなぎます。

会話例|「工事費無料って言いましたよね?」

お客様

工事費は無料って 言いましたよね?

営業担当者

無料と聞いていたのに、 工事費が出ているということですね。

まず、 営業時のご案内内容、 正式な契約条件、 お客様がどのように認識されていたかを 整理します。

この場で 「説明しました」 「無料です」 「有料です」 と私だけで結論を出さず、 正式に確認します。

会話例|「説明しましたよね?」と言い返しそうになった時

お客様

そんな条件、 私は聞いていません。

営業担当者

聞いていないと感じていらっしゃる内容が あるということですね。

「説明した・聞いていない」 だけで判断せず、 営業時のご案内と正式内容を確認します。

どの条件について認識が違っているか 一緒に整理させてください。

SALES-13

言い返す前に、
3点照合へ戻る。

会話例|「ネットが使えなくて仕事になりません」

お客様

ネットが使えなくて 仕事にならないんです。

営業担当者

業務に影響が出ている状況なんですね。

まず、 どのサービスが使えないのか、 いつからなのか、 どの範囲へ影響しているのかを確認します。

私から原因を決めず、 業務影響があることも含めて 正式なサポート・対応手順へつなぎます。

会話例|「何度電話しても直らないんですけど」

お客様

何度も電話しているのに 全然直らないんですけど。

営業担当者

何度もお問い合わせいただいているのに、 まだ解決していない状況なんですね。

これまでどこへ連絡され、 何を確認し、 現在何が未解決なのかを 一度整理させてください。

繰り返し未解決であることも含めて、 適切な担当へ引き継ぎます。

会話例|「工事会社のミスじゃないんですか?」

お客様

これ、 工事会社のミスじゃないんですか?

営業担当者

工事後から問題が出ているということですね。

原因が工事にあるかどうかは この場で私から決めず、 工事内容と現在の状況を確認します。

確認できた事実を整理して、 正式な担当へつなぎます。

会話例|「今月分を返金してください」

お客様

これだけ使えなかったんだから、 今月分を返金してください。

営業担当者

利用できなかった期間があり、 返金をご希望ということですね。

利用状況とこれまでの経緯を整理します。

返金等については 私の判断だけでお約束せず、 正式に判断できる担当へ引き継ぎます。

会話例|「損害を補償してください」

お客様

ネットが使えなくて損害が出ています。 補償してください。

営業担当者

業務への影響と損害について お申し出いただいているということですね。

まず、 いつからどのような影響が出ているかを 確認します。

補償については私から可否を決めず、 正式な責任者・担当へ引き継ぎます。

会話例|「責任者を出してください」

お客様

もういいです。 責任者を出してください。

営業担当者

責任者による対応をご希望ということですね。

ここまでの状況と 確認できている内容を整理して、 正式な引き継ぎ手順を確認します。

対応方法・時期についても、 確認できた内容をご案内します。

会話例|「SNSに全部書きます」

お客様

もうSNSに全部書きますから。

営業担当者

そこまで強いご不満を感じていらっしゃる状況なんですね。

まず、 現在の問題とこれまでの対応を整理します。

私から感情的に止めたり、 法律上の判断をしたりせず、 必要な責任者へ引き継ぎます。

会話例|「消費者センターに相談します」

お客様

納得できないので、 消費者センターにも相談します。

営業担当者

現在の対応では ご納得いただけていない状況なんですね。

こちらでも、 これまでの経緯と 確認できていること・未確認のことを整理します。

私から相談を止めたり法的な判断をしたりせず、 必要な責任者へ引き継ぎます。

会話例|「もう解約したいです」

お客様

もう信用できないので、 解約したいです。

営業担当者

解約をご希望ということですね。

今回のご不満の内容は 必要な担当へ引き継ぎます。

解約については、 今回の契約に対する正式な手続き・条件を 確認できる窓口へつなぎます。

会話例|店舗で「決済が止まって売上に影響しています」

店舗のお客様

決済が使えなくて、 売上に影響が出ているんです。

営業担当者

決済が利用できず、 営業に影響が出ている状況なんですね。

いつから、 どの決済・通信環境が利用できないのかを 確認します。

私から原因を決めず、 事業影響が出ていることも含めて 正式な緊急・専門対応へつなぎます。

会話例|法人で「VPNが止まって全社業務に影響しています」

法人担当者

VPNが止まって、 全社の業務に影響しています。

営業担当者

全社業務へ影響している状況なんですね。

影響している拠点・サービス・ 現在の通信状態を確認します。

VPNや固定IP等の技術原因を私から断定せず、 情報システムご担当者等とも整理しながら、 正式な専門対応へつなぎます。

会話例|「他人の情報が見えているんですが」

お客様

画面に、 他の人の名前や情報が 見えているんですが。

営業担当者

他のお客様の情報が 表示されている可能性があるということですね。

個人情報に関する問題の可能性があるため、 私だけで通常問い合わせとして処理せず、 正式な事故対応手順へつなぎます。

私の判断で記録を削除して 対応を終えることもしません。

BASE-02

個人情報事故の可能性があれば、
通常対応から切り替える。

会話例|強い口調・暴言が続く場合

お客様

ふざけるな! お前が全部責任取れ! 今すぐ何とかしろ!

営業担当者

現在の問題については 適切に確認して対応へつなぎます。

ただ、 私一人では判断できない内容もあるため、 正式な責任者を含めた対応へ切り替えます。

!

一人で耐え続けない

暴言・威圧・脅迫的言動・危険行為等が続く場合は、 所属組織の正式な安全・対応ルールへつなぎます。

営業担当者は、どこまで覚えればよい?

SALES-17は、 あらゆるクレームを 一人で解決できるようになる研修ではありません。

次の8点を覚えてください。

  1. 最初に反論しない
  2. お客様の不便・不満を受け止める
  3. 感情・主張・事実・未確認事項を分ける
  4. 説明相違はSALES-13の3点照合へ戻る
  5. 原因・責任を勝手に決めない
  6. 返金・補償・解決時間等を権限なく約束しない
  7. 事実と影響を整理して適切な担当へ引き継ぐ
  8. 安全・個人情報等の重大問題を一人で抱えない
SALES-17

クレームを自分で解決する方法を全部覚えるのではなく、
話を受け止め、
事実を整理し、
勝手に判断せず、
適切な担当へ引き継ぐ流れを覚える。

分からない時は、これまでの研修へ戻る

研修 戻る内容
BASE-01 迷ったら、止まる・確認する・相談する
BASE-02 個人情報を必要な範囲で安全に扱う
SALES-09 料金・割引・請求等の整理
SALES-11 不安・迷い・質問を受け止める
SALES-13 営業中の説明・正式内容・お客様の認識の3点照合
SALES-15 工事・開通・切替の状態
SALES-16 通常問い合わせ・契約後フォロー
NET-06 インターネットトラブルの状況整理
TV-06 テレビトラブルの状況整理
TEL-02 電話番号・切替条件

クレーム時も、START-02の営業担当者の役割は変わらない

START-02|営業担当者の役割

お客様の現在の利用状況や困りごとを確認し、
必要な情報と選択肢を分かりやすく案内し、
お客様自身が納得して
判断できる状態をつくる。

クレーム対応でも、 相手を言い負かすことが目的ではありません。

何が起きているのかを整理し、 正しい次の対応へつなぐことが目的です。

STEP3|共通メッセージ

聞く。
整理する。
分かりやすく案内する。

SALES-17では、 強い不満がある時ほど、 まず聞き、事実を整理し、 次の正式対応を案内します。
SALES-17|最後に覚えてほしいこと

クレーム対応で大切なのは、
その場で勝ち負けを決めることではありません。

まず聞く。

事実を整理する。

勝手に判断しない。

必要な担当へ引き継ぐ。

分からない原因を決めない。
責任を決めない。
補償を約束しない。
解決時間を約束しない。

しかし、 お客様を突き放すわけでもありません。

お客様の話を受け止め、
確認できる事実を整理し、
安全に次の対応へつなぐ。

それが、 SALES-17で学ぶ クレーム・トラブルの初期対応です。

まとめ

  • SALES-17は、通常問い合わせでは処理しにくいクレーム・重大トラブルの初期対応を扱う
  • 中心は「受け止める・聞く・事実確認・影響整理・判断しない・引き継ぐ・次の流れ」
  • 最初に「説明しました」「お客様の勘違いです」と反論しない
  • 受け止めることと、会社の責任を認定することは分ける
  • 不便・心配等への配慮ある謝意まで避ける必要はない
  • ただし未確認の会社責任・損害賠償責任等を営業担当者が認定しない
  • 感情・お客様の主張・確認済み事実・未確認事項を分ける
  • 確認済み/不明/要確認をクレーム時にも使う
  • 「聞いていた話と違う」はSALES-13の3点照合へ戻る
  • 言った・言わないの争いから始めない
  • 営業担当者側の説明不足・誤説明等の可能性も残す
  • 技術・料金等の原因を推測で断定しない
  • 営業・工事・サポート・お客様等の責任を初期段階で決めない
  • 返金・無料化・値引き・補償等を営業担当者個人で約束しない
  • 責任者対応を求められたら正式なエスカレーションへつなぐ
  • 未確認の折り返し・解決時間を保証しない
  • 強い怒り・説明相違・繰り返し未解決等は一人で抱え込まない
  • 重大な業務影響では影響範囲を整理する
  • 新人が独自に重大障害等を認定しない
  • 安全上の問題は通常営業対応を続けず正式な安全手順へつなぐ
  • 個人情報事故等が疑われる場合は正式な事故対応へつなぐ
  • 個人情報事故を営業担当者が勝手に削除して終わらせない
  • 録音・撮影・SNS等の発言に感情的に反応しない
  • 営業担当者がその場で法律判断をしない
  • 消費生活相談を行うというお客様の意思を止めない
  • 解約希望をクレーム対応を理由に妨げない
  • 未確認事項が多い時に契約の有効・無効等を営業担当者が即断しない
  • 事実確認では、いつ・何が・どこで・どのサービスに起きたか等を整理する
  • お客様を尋問するような確認を避ける
  • 事実確認の目的は反論ではなく、正しい引き継ぎ
  • 必要な記録は正式なCRM・社内システム等を使う
  • クレーム情報を個人スマホ等へ私物管理しない
  • 引き継ぎ時は主張・事実・未確認・影響・希望等を整理する
  • 「担当へ伝えます」だけでなく次の流れも案内する
  • 怒っているお客様へ長い説明を一気に詰め込まない
  • 相手の強い口調に同じ強さで返さない
  • 暴言・威圧・危険行為を営業担当者一人で耐え続けない
  • 家庭・店舗・法人で影響の種類や関係者が異なる
  • クレームを自分で全部解決する方法ではなく、安全に引き継ぐ流れを覚える
CHECK

理解度チェック

SALES-17の内容を理解できたか確認しましょう。 回答はクリックすると表示されます。

Q1 お客様から 「聞いていた料金と違う」 と強く言われました。 営業担当者は、 「説明しましたよね」 とまず事実を伝えるべきでしょうか?

回答を見る
答え:いいえ

最初から言った・言わないの争いにしません。

お客様の不満を受け止めたうえで、 営業中の説明・正式な契約内容・ お客様の認識を整理します。

Q2 お客様から 「今月分を返金してください」 と言われました。 営業担当者が返金するのが妥当だと思った場合、 その場で「返金します」と約束してよいでしょうか?

回答を見る
答え:いいえ

返金・補償等の判断は、 営業担当者個人の判断範囲を超える場合があります。

まず事実と影響を整理し、 正式な権限・判断手順へ引き継ぎます。

Q3 お客様の画面に 他人の契約情報が表示されている可能性があります。 営業担当者はどうしますか?

回答を見る
答え: 通常問い合わせとして処理せず、 正式な個人情報・事故対応手順へつなぎます

営業担当者が勝手にデータを削除して 対応を完了させません。

BASE-02へ戻り、 所属組織の正式な事故対応手順に従います。

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STEP3|18 / 18 営業実務総まとめ|独り立ち前に確認したい基本動作

STEP3では、 お客様との最初の接点から、 ヒアリング・提案・契約・工事・契約後フォロー・ クレーム初期対応まで学んできました。

最後のSALES-18では、 SALES-01〜17の内容を一本の流れとして整理し、 独り立ち前に 「これだけはできるようにしておきたい」 基本動作を総確認します。

CHECK

理解度チェック

全3問中2問以上正解で、この研修は完了です。

ログインしていないため、テスト結果と進捗は保存されません。

Q1お客様から強い口調で「聞いていた内容と全然違う」と言われました。最初の対応として最も適切なのはどれですか?
Q2お客様から「そちらのミスなら全部補償してください」と言われました。営業担当者の対応として最も適切なのはどれですか?
Q3お客様から、強い不満に加えて「ネットが止まり、店舗営業にも大きな影響が出ている」と言われました。最も適切な対応はどれですか?
目次