インターネットが遅い・つながらない時の基本確認

専門知識

お客様から、 「インターネットにつながらない」 「Wi-Fiが遅い」 「動画だけ止まる」 と相談を受けることがあります。

このとき営業担当者が、 技術者のように原因を特定したり、 機器設定を変更したりする必要はありません。

大切なのは、 症状を整理し、安全な範囲で必要な情報を確認し、 原因を推測せず適切な窓口・専門担当へ引き継ぐこと です。

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NET-06|インターネットが遅い・つながらない時の基本確認 動画時間:約3分

この研修の3行まとめ

  1. 「つながらない」「遅い」を分け、どの端末・接続方法・サービスで起きているか整理する。
  2. 回線・ONU/モデム・ルーター・Wi-Fi/LAN・端末・利用サービスのどこでも問題は起こり得る。
  3. 営業担当者は原因を断定せず、確認した情報をそろえて正式な窓口へ引き継ぐ。

このページで学ぶこと

  • 「つながらない」「遅い」の基本的な分け方
  • 端末・Wi-Fi・有線LANごとの確認ポイント
  • ONU・モデム・ルーター等の確認ポイント
  • 障害・メンテナンス情報の確認
  • 営業担当者が確認してよい範囲
  • 専門担当へ引き継ぐために記録する情報

営業担当者の役割は「直すこと」ではない

TECHNICAL

技術的にはこういう意味

インターネット通信では、 回線、 ONU・モデム、 ルーター、 Wi-Fi・有線LAN、 端末、 利用サービスなど、 複数の要素が関係しています。

「つながらない」 「遅い」 という症状だけでは、 原因を一つに特定できません。

FOR CUSTOMER

お客様にはこう説明する

「原因はいくつか考えられますので、 まず現在どのような状態なのか確認させてください」

「確認した内容を整理して、 必要であれば専門担当へおつなぎします」

✓

POINT

原因を当てることではなく、 症状の範囲を正確に整理することが重要です。

最初に「つながらない」と「遅い」を分ける

「インターネットがおかしい」 という言葉だけでは、 実際の症状は分かりません。

つながらない

通信できない状態

Webサイトが開かない、 アプリが通信できないなど、 インターネット接続自体を 利用できない状態です。

遅い

通信はできるが利用しづらい状態

Web表示に時間がかかる、 動画が止まるなど、 通信はできているものの 快適に利用できない状態です。

✓

POINT

「ネットがおかしい」 をそのまま記録せず、 どのように困っているのか具体化します。

「何が使えないのか」を確認する

最初に、 症状が出ている範囲を確認します。

  • インターネット全体が使えない
  • Wi-Fiだけ使えない
  • 有線LANだけ使えない
  • スマートフォン1台だけ使えない
  • PCだけ使えない
  • 特定のWebサイトだけ開かない
  • 特定の動画サービスだけ使えない
  • 特定のアプリだけ使えない
  • 家の一部の部屋だけWi-Fiが弱い
✓

POINT

「全部」なのか 「一部」なのかを最初に分けます。

「遅い・つながらない」時の初期確認フロー

営業担当者は、 次の順番で整理すると分かりやすくなります。

1 何が使えない? 全体・一部サービス
→
2 どの端末? 1台・複数台
→
3 Wi-Fi/有線? 接続方法を確認
4 他端末は? 同じ症状か
→
5 機器・障害情報 電源・表示・公式情報
→
6 必要なら引継ぎ 情報を整理して連携
✓

POINT

これは故障診断ではなく、 症状を整理するためのフローです。

1台だけか、複数台とも同じかを確認する

ご家庭に複数の端末がある場合は、 他の端末でも同じ症状が出ているか確認します。

  • スマートフォン1台だけ使えない
  • 家族全員のスマートフォンが使えない
  • PCだけ使えない
  • スマートフォンは使えるがテレビだけ使えない
  • Wi-Fi接続している端末がすべて使えない
!

注意

1台だけ使えないからといって、 「その端末が故障している」 と断定しません。

あくまで症状の範囲を 整理する情報として扱います。

Wi-Fiだけか、有線LANでも同じかを確認する

NET-04で学んだとおり、 Wi-Fiと有線LANでは 家庭内での接続方法が異なります。

Wi-Fiだけ

無線区間も確認対象

距離、 壁、 階数、 設置場所、 Wi-Fiルーター、 端末などが関係する可能性があります。

有線LANでも

Wi-Fiだけの問題とは限らない

回線、 ONU・モデム、 ルーター、 有線LAN、 端末等も含めて 情報を整理する必要があります。

✓

POINT

「Wi-Fiだけなのか」 「有線でも同じなのか」は、 引き継ぎ時に重要な情報です。

家全体か、特定の部屋だけかを確認する

「Wi-Fiが遅い」 と言われた場合は、 どこで利用したときに 症状が出るのか確認します。

  • ルーターの近くでも遅い
  • 2階だけ遅い
  • 寝室だけつながりにくい
  • 家の端の部屋だけ弱い
  • どの部屋でも同じ症状が出る

Wi-Fiでは、 距離・壁・床・階数・家具・設置場所等が 電波状況へ影響する場合があります。

!

注意

Wi-Fiの電波が弱い = インターネット回線の障害、 ではありません。

「いつから」「どのように」起きているかを確認する

症状が始まった時期も 引き継ぎ時の重要な情報になります。

  • 今日突然つながらなくなった
  • 数日前から徐々に遅くなった
  • 夜だけ遅い
  • ルーターを交換してから症状が出た
  • 回線変更後から使えない
  • 特定のアプリ更新後から使えない
✓

POINT

「いつから」 「何をした後から」 も確認します。

インターネットは、途中のどこでも問題が起こり得る

NET-01〜05で学んだ内容を、 一度つなげて考えてみましょう。

1 回線 通信事業者側
→
2 ONU・モデム 回線と宅内側
→
3 ルーター 家庭内ネットワーク
4 Wi-Fi・LAN 宅内接続
→
5 端末 スマホ・PC・TV等
→
6 利用サービス Web・動画・アプリ等
✓

POINT

一つの症状だけで、 途中のどこに原因があるかを 決めつけないようにします。

Wi-Fiマークがあっても、インターネットにつながるとは限らない

スマートフォン等に Wi-Fiマークが表示されている場合でも、 その先のインターネット通信が 正常とは限りません。

1 スマートフォン Wi-Fi接続
→
2 Wi-Fiルーター ここまでは接続
→
3 回線・インターネット ここに問題がある場合も
✓

POINT

Wi-Fiマーク = インターネット正常、 ではありません。

特定の端末だけ使えない場合

家族のスマートフォンやPCは使えるのに、 1台だけ使えない場合があります。

この場合、 端末側の接続状態・設定等が 関係している可能性もあります。

!

注意

「1台だけだから端末故障」 と断定するのではありません。

他端末の状況とあわせて記録し、 必要に応じて端末メーカー等の 正式なサポートへつなぎます。

特定のWebサイト・アプリだけ使えない場合

Webサイトは開ける、 他の動画サービスも見られるのに、 特定のアプリだけ使えない場合があります。

この場合は、 利用サービス側の障害・メンテナンス・ アプリの状態等が 関係している可能性もあります。

✓

POINT

「インターネットが使えない」 ではなく、 「特定サービスだけ使えない」 と整理します。

ONU・モデム・ルーター等の状態を確認する

安全に確認できる範囲で、 通信機器の状態を確認します。

  • 電源が入っているか
  • 電源ランプが点灯しているか
  • 通常と異なるランプ表示がないか
  • エラーを示す表示が出ていないか
  • LANケーブル等が明らかに外れていないか
!

注意

ランプの意味は機種によって異なります。

「赤ランプだから故障」 「このランプが消えているから回線障害」 と記憶だけで判断せず、 自社資料・取扱説明書・提供元の 最新公式情報を確認します。

配線は「安全に見える範囲」で確認する

LANケーブルや電源ケーブル等が 明らかに外れていないかを 目視で確認することがあります。

×

独自判断でしないこと

  • 配線をすべて外してつなぎ直す
  • LANポートを適当に変更する
  • 通信機器のモードを変更する
  • 機器を分解する
✓

POINT

見える範囲で状態を確認することと、 接続構成を変更することは別です。

再起動・電源操作・初期化は正式な手順に従う

通信機器のトラブルでは、 再起動が正式な対処手順として 案内される場合があります。

ただし、 機器構成や事業者によって 操作方法・順番等が異なる場合があります。

×

営業担当者が独自に案内しない

  • 「全部のコンセントを抜いてください」
  • 「適当に順番に電源を入れ直してください」
  • 「RESETボタンを押してください」
  • 「分からなければ初期化しましょう」
!

特に初期化に注意

RESET・初期化操作では、 保存されている設定が消去される場合があります。

再起動・初期化・設定変更は、 自社・通信事業者・メーカー等の 正式な手順に従います。

通信事業者側の障害・メンテナンス情報も確認する

お客様宅の機器だけでなく、 通信事業者側のネットワーク等で 障害やメンテナンスが発生している場合もあります。

自社・取扱事業者に 公式の障害・メンテナンス情報を 確認する方法がある場合は、 正式な方法で確認します。

✓

POINT

宅内機器だけを見て 原因を決めないようにします。

速度測定をする場合は「条件」も記録する

NET-05で学んだように、 速度測定の結果は 測定条件によって変わります。

速度測定を確認する場合は、 数字だけでなく次のような条件も記録します。

  • 測定した日時
  • 使用した端末
  • Wi-Fiか有線LANか
  • Wi-Fiの場合は測定場所
  • ルーターからのおおよその距離
  • 他端末の同時利用状況
  • 使用した速度測定サービス
  • 複数回測定した場合はその結果
!

注意

1回の速度測定結果だけで、 回線障害と断定しません。

「最大1Gbpsなのに100Mbpsだから故障」とは判断しない

NET-05で学んだとおり、 最大通信速度と 実際の通信速度は同じではありません。

実際の速度には、 回線、 混雑、 ルーター、 Wi-Fi、 有線LAN、 端末、 測定条件等が関係します。

×

こんな判断はしない

  • 「1Gbps契約で100Mbpsしか出ないので故障です」
  • 「昨日より遅いので回線障害です」
  • 「Wi-Fi測定が遅いので回線が悪いです」

原因を推測で断定しない

症状を詳しく聞いていくと、 「おそらくこれが原因だろう」 と思う場合があります。

しかし、 確認できていない原因を 事実のように案内しないようにします。

×

こんな説明はしない

  • 「ルーターが壊れています」
  • 「回線障害ですね」
  • 「Wi-Fiのせいです」
  • 「ONUが故障しています」
  • 「端末の故障です」
  • 「このアプリ側が原因です」
  • 「ルーターを交換すれば直ります」
✓

POINT

推測は推測のまま。 確認できた事実だけを引き継ぎます。

営業担当者が確認する範囲と、専門担当へ引き継ぐ範囲

営業担当者が確認する 専門担当へ引き継ぐ
「遅い」「つながらない」のどちらか 技術的な原因の特定
どの端末で起きているか ONU・モデム・ルーター等の詳細診断
Wi-Fiか有線LANか 詳細なネットワーク設定変更
他の端末でも同じか IP・DNS・ルーティング等の詳細設定
特定サービスだけか 機器の初期化・設定再構築
電源・ランプ表示 機器交換の判断
安全に見える範囲の配線状態 専門的な配線変更
障害・メンテナンス情報 原因不明・改善しない症状の対応
✓

POINT

「どこまで自分でやらないか」 を理解することも営業担当者の重要な知識です。

引き継ぐときは、確認した情報を整理する

専門担当へ引き継ぐときは、 確認済みの内容を整理して伝えます。

たとえば、 次のような情報です。

  • いつから症状が出ているか
  • 「遅い」のか「つながらない」のか
  • どの端末で起きているか
  • 1台だけか複数台か
  • Wi-Fiか有線LANか
  • 家全体か特定の部屋だけか
  • 全サービスか特定サービスだけか
  • ONU・モデム・ルーター等の機器名・型番
  • ランプ表示・エラー表示
  • 安全な範囲で確認した配線状態
  • 障害・メンテナンス情報の確認結果
  • 速度測定した場合は数値と測定条件
  • 直前に機器交換・契約変更等があったか
!

個人情報にも注意

必要な情報だけを、 会社が定めた正式な方法で記録・共有します。

不要な個人情報を 私物端末や個人アカウントへ 保存しないようにします。

営業ヒアリングは「症状の範囲」から聞く

1 どう困る? 遅い・つながらない
→
2 何で使う? スマホ・PC・TV等
→
3 どこで使う? 部屋・階数・場所
→
4 何が使えない? 全体・特定サービス

会話例|「Wi-Fiがつながらない」と相談された場合

お客様

急にWi-Fiがつながらなくなったんです。

営業担当者

ご不便をおかけしています。 まず状況を確認させてください。

ご家族のスマートフォンなど、 他の端末も同じ状態でしょうか?

お客様

家族のスマホも全部ダメみたいです。

営業担当者

ありがとうございます。 ルーターやONUなどの電源と ランプ表示も確認させてください。

原因はこちらで決めつけず、 確認した内容を整理して 必要であれば専門担当へ引き継ぎます。

会話例|「夜だけ遅い」と相談された場合

お客様

昼は普通なんですが、 夜になると動画が遅いんです。

営業担当者

夜だけなのですね。 ありがとうございます。

動画を見る端末は何でしょうか? Wi-Fiと有線LANのどちらで 接続されていますか?

お客様

2階のテレビをWi-Fiでつないでいます。

営業担当者

承知しました。 夜の時間帯だけなのか、 2階のWi-Fi環境も関係しているのかなど、 いくつか確認する必要があります。

まず現在の利用環境を整理してみましょう。

✓

POINT

「夜だから回線混雑」 「2階だからWi-Fi」 と一つに決めません。

よくある勘違い

×

こんな考え方はしない

  • 「ネットが遅い=回線障害」
  • 「Wi-Fiが弱い=回線障害」
  • 「Wi-Fiマークがあればインターネットも正常」
  • 「1台だけ使えない=端末故障」
  • 「全部使えない=ルーター故障」
  • 「動画だけ止まる=回線が遅い」
  • 「ランプが赤い=機器故障」
  • 「1Gbps契約で100Mbpsしか出ない=故障」
  • 「1回の速度測定で原因が分かる」
  • 「とりあえず全部再起動すればよい」
  • 「分からなければRESETすればよい」
  • 「ルーターを交換すれば必ず改善する」

営業担当者は、どこまで覚えればよい?

NET-06では、 次の8点を理解できれば十分です。

  1. 「遅い」と「つながらない」を分ける
  2. 1台だけか、複数台かを確認する
  3. Wi-Fiか有線LANかを確認する
  4. 全体か一部サービスだけかを確認する
  5. 電源・ランプ・配線を安全な範囲で確認する
  6. 障害・メンテナンス情報も確認する
  7. 再起動・初期化等は正式な手順に従う
  8. 原因を断定せず、必要な情報を整理して引き継ぐ
STEP2|専門知識の学び方

仕組みを理解する。
お客様には分かりやすく伝える。

分からないことを 推測で埋めないようにします。

まとめ

  • 最初に「遅い」「つながらない」を分ける
  • 全端末か一部端末だけかを確認する
  • Wi-Fiか有線LANかを確認する
  • 家全体か特定の場所だけかを確認する
  • 全サービスか特定サービスだけかを確認する
  • いつから症状が出ているかを確認する
  • ONU・モデム・ルーター等の電源・表示を確認する
  • ランプの意味は公式資料等で確認する
  • 配線は安全に見える範囲で確認する
  • Wi-Fiが弱い=回線障害ではない
  • 特定端末だけの場合は端末側の可能性もある
  • 特定サービスだけの場合はサービス側の可能性もある
  • 事業者側の障害・メンテナンス情報も確認する
  • 速度測定では数値だけでなく測定条件も確認する
  • 最大速度と実測速度を混同しない
  • 再起動・初期化・設定変更は正式な手順に従う
  • 原因を推測で断定しない
  • 確認した情報を整理して専門担当へ引き継ぐ
CHECK

理解度チェック

内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。

Q1 1Gbps契約のお客様が速度測定したところ 100Mbpsだったため、 回線故障と判断してよい。 ○か×か?

回答を見る
答え:×

最大通信速度は、 実際の通信速度を保証する数字ではありません。

回線、 混雑、 ルーター、 Wi-Fi、 LAN、 端末、 測定条件等が関係するため、 1回の測定結果だけで故障とは判断しません。

Q2 お客様宅で家族全員の端末が使えなくなりました。 営業担当者は 「ルーター故障です」と案内してよい。 ○か×か?

回答を見る
答え:×

複数端末で同じ症状が出ていることは 重要な情報ですが、 それだけで故障箇所は特定できません。

機器表示や障害情報等を確認し、 必要に応じて専門担当へ引き継ぎます。

Q3 お客様から 「2階のスマートフォンだけWi-Fiが遅い」 と相談されました。 最初にどのような情報を確認しますか?

回答を見る
答え: 症状が出る端末・場所・他端末の状態・Wi-Fi環境等を確認します

2階のどこで起きるのか、 他の端末でも同じなのか、 ルーターの設置場所、 いつから症状が出ているのかなどを確認します。

すぐに 「回線が遅い」 「ルーターを交換すれば直る」 と判断しません。

関連する研修

✓ インターネット編 完了

STEP2のインターネット基礎研修6記事を修了しました。

  • NET-01|インターネットの基本
  • NET-02|回線・プロバイダー・光・CATV回線
  • NET-03|ONU・モデム・ルーターの違い
  • NET-04|Wi-Fi・有線LANの違い
  • NET-05|通信速度・Mbps・Gbps・上り下りの基本
  • NET-06|インターネットが遅い・つながらない時の基本確認
NEXT
STEP2|次の分野 固定電話編

次は、 固定電話サービスの基本、 電話番号、 IP電話、 番号継続など、 営業担当者が知っておきたい 電話サービスの基礎を学びます。

CHECK

理解度チェック

全3問中2問以上正解で、この研修は完了です。

ログインしていないため、テスト結果と進捗は保存されません。

Q1お客様から「インターネットにつながらない」と相談されました。最初の対応として最も適切なのはどれですか?
Q2インターネットが遅いときの確認方法として、最も適切なのはどれですか?
Q3基本的な確認をしても原因が分からず、営業担当者だけでは判断できません。最も適切な対応はどれですか?
目次