ここまで、 テレビ・インターネット・固定電話・スマートフォンを それぞれ個別に学んできました。
しかし実際のお客様宅や事業所では、 この4つが完全に独立しているとは限りません。
同じ通信事業者でまとめていたり、 同じ回線・宅内機器が関係していたり、 スマートフォンと固定回線の割引が つながっていたりする場合があります。
COM-01では、 「一つの商品」ではなく 「家庭・事業所全体の通信環境」 として考える方法を学びます。
まず動画で全体像を確認しましょう
このページの重要なポイントを、 約3分の動画で確認できます。 まず動画で全体像をつかみ、 詳しい内容はこのページの本文で確認してください。
この研修の3行まとめ
- テレビ・ネット・電話・スマホは、契約・回線・機器・料金等でつながっている場合がある。
- 一つのサービスを変更すると、セット割・電話・テレビ・宅内機器等へ影響する場合がある。
- 営業担当者は「何を変えるか」だけでなく、「その変更がどこへ影響するか」まで確認する。
このページで学ぶこと
- 4つの通信サービスの関係
- サービス・回線・機器・契約の違い
- セット契約・セット割の考え方
- 一つの変更が他サービスへ与える影響
- 家庭・事業所全体で確認する理由
- 変更前に確認する契約・機器・料金
- 営業担当者が確認前に断定しないこと
まず、4つの通信サービスを振り返る
STEP2では、 これまで次の4分野を学んできました。
| サービス | 主な役割 | 主な確認対象 |
|---|---|---|
| テレビ | 放送・専門チャンネル・ 映像サービス等を利用する | 受信方法・STB・録画・ チャンネル等 |
| インターネット | Web・動画・アプリ等の データ通信を利用する | 回線・ONU・ルーター・ Wi-Fi等 |
| 固定電話 | 家庭・事業所等で 音声通話を利用する | 電話番号・電話サービス・ FAX等 |
| スマートフォン | 携帯回線で 通話・データ通信等を利用する | SIM・料金プラン・MNP・ 端末等 |
POINT
ここからは、 4つを別々に覚えるのではなく 「どうつながっているか」を考えます。
4サービスを「一つの通信環境」として見る
テレビ
地上波・BS・専門チャンネル・ STB・録画等。
インターネット
光・CATV等の回線、 Wi-Fi、ルーター等。
固定電話
電話番号・FAX・ ホームゲートウェイ等。
スマートフォン
携帯回線・SIM・料金プラン・ セット割等。
POINT
お客様から 「ネットだけ相談したい」 と言われても、 必要に応じて電話・テレビ・スマホとの 関係まで確認します。
通信サービスは、複数の層に分けて考える
技術的にはこういう意味
お客様が利用する通信サービスには、 サービス、 通信ネットワーク、 宅内機器、 利用端末、 契約等の 複数の要素が関係します。
一つの回線・宅内機器が 複数サービスに関係する構成もあります。
お客様にはこう説明する
「テレビ・ネット・電話・スマホは、 契約の組み合わせによって お互いに関係している場合があります」
「一つを変更する前に、 他のサービスへ影響がないかも 一緒に確認しましょう」
「サービス → 回線 → 機器 → 端末」で整理する
注意
実際の構成は 事業者・サービス・建物等によって異なります。
この図は、 通信環境を整理するための 基本的な考え方です。
「契約」は、通信の仕組みとは別に確認する
技術的にどの回線を使っているかだけでは、 お客様の契約関係は分かりません。
契約面では、 次のような情報があります。
- 契約しているサービス
- 契約名義
- 契約先事業者
- サービス提供元
- 請求元
- 料金プラン
- セット割・家族割
- 契約期間・解約条件
- レンタル機器
POINT
回線の仕組みと契約の仕組みは 分けて確認します。
4サービスをまとめて契約している場合もある
お客様によっては、 テレビ・ネット・固定電話・スマートフォンを それぞれ別会社で契約しています。
一方で、 同じ事業者や関連するサービスで 複数契約をまとめている場合もあります。
別々に契約
TV・NET・電話・スマホを それぞれ異なる事業者で利用。
まとめて契約
同じ事業者・ブランド・ グループ等のサービスを組み合わせて利用。
注意
同じ会社名やブランド名が 見えているだけで、 すべての契約関係を判断しません。
「請求が一つ=全部同じサービス」とは限らない
複数の通信サービスを利用していても、 請求をまとめられる場合があります。
反対に、 同じ通信環境に見えても 請求が複数に分かれている場合があります。
こんな判断はしない
- 「請求書が1枚なので全部同じ契約です」
- 「同じ会社名なので全部同じ回線です」
- 「料金がまとめてあるので解約も一つです」
POINT
契約書・請求明細・公式マイページ等で サービスごとに確認します。
テレビとインターネットがつながる場合
CATVや光回線等では、 一つの通信設備・ネットワークを活用して テレビとインターネットを 提供している場合があります。
ただし、 テレビサービスと インターネットサービスは 契約・利用機器等が別になっている場合もあります。
POINT
「同じ回線を使っているように見える」 ことと 「同じ契約である」ことは別です。
インターネットと固定電話がつながる場合
光回線やCATV等を利用する 固定電話サービスでは、 インターネット側の通信設備や 宅内機器と電話サービスが 関係している場合があります。
たとえば、 次のような宅内機器が関係する場合があります。
- ONU
- モデム
- ホームゲートウェイ
- 電話用アダプタ
- ルーター機能を含む一体型機器
注意
インターネット回線を 解約・変更するときは、 固定電話への影響も確認します。
スマートフォンと固定インターネットがつながる場合
スマートフォンと 自宅の固定インターネット等を セットで契約することで、 携帯電話料金等に 割引が適用されるサービスがあります。
この場合、 固定回線・スマートフォンの どちらかの契約を変更することで 割引条件が変わる場合があります。
こんな案内はしない
- 「ネットを変えてもスマホ料金は何も変わりません」
- 「スマホだけ乗り換えるので固定回線には関係ありません」
- 「家族の料金には影響しません」
テレビサービスを変更すると、視聴環境へ影響する場合がある
テレビサービスを変更・解約するときは、 月額料金やチャンネルだけでなく 現在の視聴環境も確認します。
たとえば、 次のようなものです。
- STB
- 専門チャンネル
- 録画機器
- 外付けHDD
- 複数台テレビ
- 動画配信との連携
- レンタル機器
- 機器返却
POINT
「テレビ契約をなくす」 だけでなく、 今までどう見て・録画していたかまで確認します。
固定電話の変更は「通話」だけを見ない
TEL編で学んだとおり、 固定電話回線は 音声通話以外にも利用されている場合があります。
FAX
家庭・店舗・事業所の FAXや複合機。
警備
ホームセキュリティや 自動通報機器等。
業務設備
POS・決済・ 通報設備等。
電話番号
顧客・取引先へ 周知されている番号。
注意
固定電話を変更するときは、 「電話機以外に何がつながっているか」を 確認します。
一つの変更が、どこへ影響する可能性がある?
| 変更するもの | 確認したい主な影響 |
|---|---|
| インターネット | 固定電話・Wi-Fi・宅内機器・ セット割・テレビ等 |
| 固定電話 | 電話番号・FAX・警備・ 特殊機器・セット条件等 |
| テレビ | STB・専門チャンネル・ 録画・レンタル機器等 |
| スマートフォン | 家族割・固定回線セット割・ メール・端末・他回線等 |
注意
この表は「必ず影響する」という意味ではありません。
変更前に確認するための チェックポイントです。
「ネットだけ変えれば他は何も変わらない」と断定しない
お客様が 「ネットだけ変えたい」 と希望される場合があります。
しかし現在の通信環境によっては、 ネット契約が 電話・テレビ・スマートフォン割引等と 関係している場合があります。
確認前に言わない
- 「ネットだけなので他は何も変わりません」
- 「電話には絶対影響ありません」
- 「テレビは関係ありません」
- 「スマホ料金はそのままです」
POINT
「他のサービスとの関係を確認してから ご案内します」 が基本です。
契約変更では、工事・撤去・機器返却も確認する
通信サービスを変更・解約するときは、 月額料金だけを確認すれば 終わりとは限りません。
- 新規設置工事
- 切替工事
- 撤去工事
- 配線変更
- ONU・ルーター等の返却
- STBの返却
- 電話用機器の返却
- レンタルWi-Fi機器等の返却
POINT
「何を解約するか」と同時に 「何を返すか・どんな工事があるか」も確認します。
一つの契約ではなく「家庭全体」を確認する
通信費を見直す場合、 相談された1サービスだけを 比較すると、 本当の影響が見えないことがあります。
家庭全体では、 次のようなものを確認します。
- テレビ
- インターネット
- 固定電話
- 家族のスマートフォン
- ホームルーター等
- 家族割・セット割
- 動画・専門チャンネル等のオプション
- レンタル機器
- 関連するID・ポイント等
店舗・事業所では、さらに慎重に確認する
店舗や事業所では、 通信サービスが 業務設備とつながっている場合があります。
電話・FAX
お客様・取引先との 連絡手段。
POS・決済
レジ・決済端末等の 通信。
予約システム
Web予約・受付・ 顧客管理等。
店舗Wi-Fi
業務用・スタッフ用・ 来店客用等。
警備
セキュリティ・ 自動通報等。
その他設備
防犯カメラ・クラウド・ 業務システム等。
重要
店舗・事業所では 通信停止が営業・業務停止につながる場合があります。
回線変更前に 利用中の設備・サービスを 丁寧に確認します。
契約変更前に確認する8つの基本項目
- 現在利用している4サービス
- 各サービスの契約先
- 利用している回線・宅内機器
- 月額料金・セット割・家族割
- 工事・撤去・レンタル機器返却
- 契約期間・解約条件・残債等
- 電話番号・メール・各種ID等
- 家族・複数回線・その他サービスへの影響
家庭全体の通信環境を確認するフロー
POINT
最後に必ず 「今回の変更で他に何が変わるか」 を確認します。
営業では、このように確認する
- 「テレビ・インターネット・固定電話・スマホは現在どちらをご利用ですか?」
- 「料金はまとめて請求されていますか?」
- 「固定電話やテレビも今のインターネットと一緒に契約されていますか?」
- 「ご家族のスマートフォンにセット割などは入っていますか?」
- 「レンタルしている機器はありますか?」
- 「今回、残したいサービス・番号・機能はありますか?」
- 「店舗や事業所で電話・FAX・POS・警備等に回線を使っていますか?」
- 「変更による他サービスへの影響を確認してからご案内します」
会話例|「ネットだけ安い会社に変えたい」
インターネットだけ もっと安いところに変えたいんです。
承知しました。 インターネット料金を確認する前に、 今の回線に固定電話やテレビ、 スマートフォンのセット割などが 関係していないか確認させてください。
そういえば、 スマホも何か割引になっていたと思います。
ありがとうございます。 その場合、 ネット単体の料金だけでなく スマホ料金への影響も含めて 比較した方が分かりやすいです。
現在の契約全体を確認してから 比較してみましょう。
会話例|「電話は使わないのでネットと一緒に解約します」
固定電話はほとんど使わないので、 ネットを変える時に 一緒に解約して大丈夫です。
承知しました。 念のため、 FAXや警備機器などで 電話回線を利用していないか確認しましょう。
また、 現在の電話番号を残す必要がないか、 セット料金への影響も確認してから 手続きを進める方が安全です。
会話例|店舗のネットを変更したい場合
店のWi-Fiが遅いので、 インターネット回線を変えたいです。
承知しました。 回線を変更する前に、 店舗でその回線を使っている機器を 確認させてください。
POSや決済端末、 電話・FAX、 防犯カメラ、 予約システムなども 同じネットワークを利用していますか?
POSと防犯カメラも Wi-Fiにつながっています。
ありがとうございます。 営業への影響が出ないように、 それぞれの機器と 切替方法・工事日も確認してから ご案内しましょう。
よくある勘違い
こんな考え方はしない
- 「テレビ・ネット・電話・スマホは全部別々のサービスなので関係ない」
- 「同じ会社ならすべて同じ回線」
- 「請求が一つなら契約も一つ」
- 「ネットだけ変えれば電話には影響しない」
- 「ネットを解約してもスマホのセット割は必ず残る」
- 「スマホだけ乗り換えるので固定回線には関係ない」
- 「固定電話を使っていないので他の機器にも影響しない」
- 「テレビを解約しても録画環境は必ずそのまま」
- 「レンタル機器は解約後もそのまま持っていてよい」
- 「通信サービスの変更に工事は必要ない」
- 「月額料金だけ比較すれば一番安いサービスが分かる」
- 「店舗のWi-Fiを変えてもPOS等には関係ない」
- 「同じブランドなので契約先と請求元も必ず同じ」
- 「1サービスの変更だから家族の契約は確認不要」
営業担当者は、どこまで覚えればよい?
COM-01では、 次の8点を理解できれば十分です。
- TV・NET・TEL・MOBは互いに関係する場合がある
- サービス・回線・宅内機器・契約を分けて考える
- 同じ会社・請求だから同じ回線や契約とは限らない
- インターネット変更時は電話・テレビ等への影響も確認する
- スマホ変更時は固定回線・家族等の割引への影響も確認する
- 契約変更時は工事・撤去・機器返却も確認する
- 家庭だけでなく店舗・事業所では業務機器まで確認する
- 一つの契約ではなく「通信環境全体」を見て提案する
まとめ
- テレビ・ネット・固定電話・スマホは互いに関係する場合がある
- 4サービスを一つの家庭・事業所の通信環境として考える
- サービス・回線・ネットワーク・宅内機器・契約を分ける
- 複数サービスを同じ事業者等でまとめて契約している場合がある
- 別々の事業者で契約している場合もある
- 同じ会社だからすべて同じ回線とは限らない
- 請求が一つだから契約が一つとは限らない
- 契約先・サービス提供元・請求元をそれぞれ確認する
- テレビとネットが同じ通信ネットワークに関係する場合がある
- ネットと固定電話でONU・ホームゲートウェイ等が関係する場合がある
- スマホと固定インターネットにセット割等がある場合がある
- ネット変更時は固定電話・テレビ・セット割等への影響を確認する
- 固定電話変更時はFAX・警備・電話番号等への影響を確認する
- テレビ変更時はSTB・録画・専門チャンネル等への影響を確認する
- スマホ変更時は家族割・固定回線セット割等への影響を確認する
- 解約・変更時は工事・撤去・機器返却も確認する
- 契約期間・解約条件等も確認する
- 家庭全体の月額料金・関連契約を確認する
- 店舗・事業所ではPOS・警備・予約・Wi-Fi等も確認する
- 確認前に「他には何も影響しません」と断定しない
- 最終的には対象事業者の最新条件・正式手順を確認する
理解度チェック
内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。
Q1 お客様が 「インターネットだけ変更したい」 と言った場合、 固定電話・テレビ・スマホ契約については 確認しなくてもよい。 ○か×か?
回答を見る
インターネット回線が 固定電話・テレビ・宅内機器・ スマートフォンのセット割等と 関係している場合があります。
変更前に 他サービスへの影響を確認します。
Q2 テレビ・ネット・電話の料金が 同じ請求書に載っているため、 3サービスは必ず同じ契約・同じ回線である。 ○か×か?
回答を見る
請求がまとまっていることと、 契約・サービス提供元・ 回線構成が同じであることは 同じ意味ではありません。
契約書・明細・公式情報等で サービスごとに確認します。
Q3 店舗から 「インターネット回線を変更したい」 と相談されました。 回線料金以外に何を確認しますか?
回答を見る
あわせて、 工事日、 切替方法、 レンタル機器、 解約条件等も確認します。
一つの通信サービス変更が 店舗業務へどのように影響するかを 整理してから案内します。
関連する研修
理解度チェック
全3問中2問以上正解で、この研修は完了です。
ログインしていないため、テスト結果と進捗は保存されません。