固定電話というと、 ご家庭や会社に置かれている 「電話機」をイメージするかもしれません。
しかし、 固定電話サービスを正しく理解するためには、 電話機だけを見るのではなく、 「電話番号」 「電話サービス」 「通信回線・ネットワーク」 「宅内機器」 「電話機」 を分けて考えることが重要です。
このページでは、 個別の商品・料金を覚える前に、 固定電話サービス全体の仕組みを整理します。
まず動画で全体像を確認しましょう
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この研修の3行まとめ
- 固定電話は、電話機だけでなく、電話番号・電話サービス・通信ネットワーク・宅内機器を含めて考える。
- 現在の固定電話には、加入電話等のほか、光回線やCATV等のネットワークを利用する電話サービスもある。
- 電話番号・停電・緊急通報・FAX等の利用条件はサービスによって異なるため、変更前に最新情報を確認する。
このページで学ぶこと
- 固定電話とは何か
- 電話番号・電話サービス・回線・電話機の違い
- 0AB-J番号と050番号の入口
- 固定電話サービスの主な考え方
- 光回線・CATV等を利用する電話の基本
- 停電・緊急通報・特殊番号の注意点
- FAX・警備機器等を利用している場合の確認
固定電話とは
技術的にはこういう意味
固定電話サービスは、 特定の場所を基本として利用する 音声通話サービスです。
現在は、 加入電話等だけでなく、 光回線やCATV事業者のネットワーク、 IP技術等を利用して提供される 固定電話サービスもあります。
お客様にはこう説明する
「ご自宅や事業所など、 決まった場所で利用する電話サービスです」
「現在は、 従来からある電話サービスだけでなく、 光回線やケーブルテレビのネットワークなどを 利用する電話サービスもあります」
固定電話は「電話機そのもの」ではない
お客様が 「固定電話を使っています」 と話されたとき、 目の前にある電話機だけを見ても 契約内容までは分かりません。
固定電話サービスは、 大きく次の要素に分けて考えます。
- 電話番号: 相手から電話を受けるための番号
- 電話サービス: 発信・着信・通話等を提供するサービス
- 通信回線・ネットワーク: 音声を相手まで届けるために利用する通信基盤
- 宅内機器: ONU・モデム・ホームゲートウェイ・電話用アダプタ等
- 電話機: 実際に受話器を使って通話する機器
POINT
電話機が同じでも、 その先で利用している電話サービスや ネットワークは異なる場合があります。
固定電話サービスの全体像
実際の構成はサービスによって異なりますが、 新人研修ではまず 次の関係をイメージしてください。
注意
この図は役割を理解するために 簡略化したものです。
実際のネットワーク構成・機器構成・契約関係が 必ずこのように分離しているとは限りません。
0AB-J番号とは
固定電話でよく使われるのが、 市外局番から始まる 10桁の電話番号です。
たとえば、 次のような番号です。
- 03から始まる番号
- 06から始まる番号
- 096から始まる番号
- その他、地域に対応する市外局番から始まる固定電話番号
このような固定電話番号の体系は、 一般に 「0AB-J番号」 と呼ばれます。
新人向けの覚え方
0AB-J = 03・06・096などの 市外局番から始まる固定電話番号。
TEL-01では、 まずこの理解で十分です。
050番号とは
IP電話では、 050から始まる電話番号を 利用するサービスもあります。
市外局番を持つ固定電話番号
03・06・096など、 地域に対応する市外局番から始まる 電話番号です。
特定IP電話番号
050から始まる IP電話サービスで利用される 電話番号です。
注意
TEL-01では、 0AB-Jと050の詳しい制度や 番号継続条件までは暗記しません。
TEL-02で詳しく整理します。
「IP電話=050番号」ではない
IP技術を利用する電話サービスだからといって、 必ず050番号になるわけではありません。
IP電話サービスの中には、 0AB-J番号を利用するものもあります。
こんな覚え方はしない
- 「IP電話なら必ず050番号」
- 「03や06ならIP電話ではない」
- 「050ではないから従来型電話」
POINT
「電話番号の種類」と 「どの技術・ネットワークで電話を提供しているか」を 分けて考えます。
固定電話サービスには、さまざまな提供方法がある
固定電話サービスは、 一つの方式だけではありません。
新人研修では、 大まかに次のような種類があると 理解しておきましょう。
| 大まかな分類 | 主な考え方 | 電話番号 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 加入電話等 | 従来から提供されている 固定電話サービス | 主に0AB-J | 現在の契約・回線・利用サービス |
| 光回線等を利用する電話 | 光回線等のネットワークを利用して 音声通話を提供 | 0AB-J等 | 回線・対応機器・契約条件 |
| CATV系電話 | CATV事業者等の ネットワークを利用して提供 | 0AB-J等 | 事業者・ネットワーク・宅内機器 |
| 050系IP電話 | IPネットワークを利用する 050番号の電話サービス | 050 | 発信可能番号・緊急通報等の条件 |
注意
この表は、 固定電話サービスの全体像を理解するための 概念的な整理です。
実際の商品名称・回線構成・番号体系・提供条件は サービスごとに確認してください。
「固定電話=必ずメタル回線」ではない
固定電話という言葉から、 電柱から銅線を引き込む 従来の電話回線だけを イメージすることがあります。
しかし現在は、 光回線、 CATV事業者の通信ネットワーク、 その他の通信ネットワークを利用して 固定電話サービスが提供される場合があります。
こんな考え方はしない
- 「固定電話なら必ずメタル線」
- 「光回線なら固定電話ではない」
- 「CATVの電話は固定電話ではない」
光回線を利用する固定電話サービス
技術的にはこういう意味
光ファイバー等の通信回線を利用し、 IP技術を使って 音声通話サービスを提供するものがあります。
サービスによっては、 ONU、 ホームゲートウェイ、 電話機能を持つ宅内機器等が 利用されます。
お客様にはこう説明する
「光回線などの通信ネットワークを使って 固定電話を利用するサービスがあります」
「ご利用には対応する宅内機器が 必要になる場合があります」
CATV事業者が提供する固定電話サービス
CATV事業者の中には、 テレビやインターネットだけでなく、 固定電話サービスを提供している事業者もあります。
CATV事業者のネットワークや 提携する通信事業者の仕組み等を利用して、 電話サービスが提供される場合があります。
POINT
「CATV電話」という名前だけで、 回線方式や宅内機器を決めつけません。
実際のサービス構成は、 取扱事業者の最新情報で確認します。
固定電話でも宅内機器が関係する場合がある
IP技術や各種通信ネットワークを利用する 固定電話サービスでは、 電話機までの間に 宅内通信機器が関係する場合があります。
ONU
光回線を利用する構成で 使用される場合があります。
モデム
回線方式によって 使用される場合があります。
ホームゲートウェイ
ルーター・電話等の機能を 持つ場合があります。
電話用アダプタ
電話機を電話サービスへ接続するために 使用される場合があります。
注意
すべてのサービスで 同じ機器構成になるわけではありません。
TEL-01では、 「電話機以外の宅内機器も関係する場合がある」 と理解できれば十分です。
今使っている電話機を、そのまま使えるとは限らない
電話サービスを変更しても、 現在の電話機をそのまま利用できる場合があります。
一方で、 電話機の種類、 接続方法、 利用している機能等によっては 対応確認が必要になる場合があります。
POINT
「電話機はそのまま使えます」 と確認前に断定しません。
対象サービスと電話機の条件を 最新の公式情報で確認します。
停電時に使えるかどうかも確認が必要
固定電話だからといって、 停電時でも必ず通話できるとは限りません。
特に、 ONU、 ホームゲートウェイ、 電話用アダプタ等、 電源を必要とする宅内機器を利用するサービスでは、 停電によって電話が利用できなくなる場合があります。
こんな説明はしない
- 「固定電話なので停電時も必ず使えます」
- 「光電話は停電でも問題ありません」
- 「CATV電話なら停電時も必ず使えます」
注意
停電時の利用可否は、 電話サービス・宅内機器・ バックアップ電源等の条件によって異なります。
実際の案内時は 各サービスの最新情報を確認してください。
110・118・119などの緊急通報も確認する
固定電話サービスを変更するときは、 緊急通報への対応も 確認しておく必要があります。
- 110|警察
- 118|海上保安庁
- 119|消防・救急
0AB-J番号を利用する 固定電話サービスなどで 緊急通報に対応しているものがあります。
一方、 050系IP電話など、 サービスによっては 緊急通報を利用できない場合があります。
注意
「IP電話だから緊急通報できない」 「固定電話だから必ず緊急通報できる」 のどちらも一律には判断しません。
対象サービスの正式な対応状況を確認します。
発信できる電話番号もサービスによって異なる
通常の固定電話や携帯電話への発信だけでなく、 お客様が特殊な電話番号を利用している場合があります。
たとえば、 次のような番号です。
- 0120・0800等の着信課金番号
- 0570等の番号
- 国際電話
- 1から始まる各種3桁番号
- その他の特殊な電話サービス番号
POINT
発信できる番号・料金・利用条件は 電話サービスによって異なる場合があります。
お客様が日常的に使う番号がある場合は、 変更前に確認します。
電話回線は「会話」以外にも使われている場合がある
固定電話サービスを変更するときに、 特に注意したいポイントです。
お客様宅や事業所では、 電話回線を音声通話以外の機器・サービスで 利用している場合があります。
FAX
家庭用・業務用FAX、 複合機など。
警備・セキュリティ
ホームセキュリティ、 自動通報装置等。
エレベーター
通報・連絡等で 電話回線を利用する設備。
決済・業務端末
POS、 クレジット端末等で 電話回線を利用する場合。
検針・監視
ガス・水道等の 遠隔検針・監視サービスなど。
ドアホン等
電話設備と連動した 宅内設備がある場合。
重要
電話サービスを変更する前に、 これらの機器・サービスが 新しい電話サービスで利用できるか確認します。
動作可否は、 電話サービス提供元だけでなく、 機器メーカー・警備会社・設備会社等への 確認が必要になる場合があります。
「電話が使えている=音声通話だけ」と決めつけない
お客様が 「固定電話はあります」 と答えた場合も、 受話器で電話するだけとは限りません。
こんな確認で終わらない
- 「固定電話はありますか?」だけ
- 「FAXは使いませんよね?」と決めつける
- 「家庭なので特殊機器はありませんよね」と判断する
- 「電話番号だけ引き継げれば問題ない」と考える
POINT
「電話回線につながっているものは他にありませんか?」 まで確認します。
「今の電話番号をそのまま使える」と先に約束しない
固定電話サービスを変更するとき、 お客様にとって非常に重要なのが 現在の電話番号です。
番号ポータビリティ等によって 現在の番号を継続利用できる場合がありますが、 利用条件があります。
こんな説明はしない
- 「光電話なら今の番号を必ず使えます」
- 「CATV電話なら番号は絶対変わりません」
- 「固定電話からなら何でも番号移行できます」
POINT
現在の電話番号・契約サービス・ 設置場所等を確認してから 番号継続の可否を確認します。
番号継続については、 次のTEL-02で詳しく学びます。
固定電話サービスを変更する前に確認すること
POINT
電話番号だけではなく、 「今の電話回線で何を使っているか」を 確認することが重要です。
営業では、固定電話の「使い方」から確認する
会話例|「固定電話はほとんど使いません」と言われた場合
固定電話はありますけど、 ほとんど使っていないですよ。
ありがとうございます。 通話以外に、 FAXや警備サービスなどで 電話回線を使っているものはありませんか?
FAXはたまに使います。 あと警備会社の機械がありますね。
ありがとうございます。 電話サービスを変更する場合は、 FAXと警備機器が 新しいサービスでも利用できるか 事前に確認した方が安全です。
電話番号の継続条件も含めて、 最新の情報を確認してから ご案内しますね。
POINT
「電話をあまり使わない」 = 「電話回線を他に何も使っていない」 ではありません。
会話例|「今の電話機と番号をそのまま使えますか?」と聞かれた場合
今使っている電話機と電話番号は そのまま使えるんですよね?
継続して利用できる場合もありますが、 現在の電話サービスや電話番号、 お使いの機器によって条件が異なります。
まず現在の契約内容と 電話番号、 電話機やFAXなどの利用状況を確認してから ご案内します。
POINT
「使えると思います」ではなく、 確認してから案内します。
よくある勘違い
こんな考え方はしない
- 「固定電話=電話機そのもの」
- 「固定電話=必ずメタル回線」
- 「固定電話=加入電話だけ」
- 「IP電話=必ず050番号」
- 「03や06ならIP電話ではない」
- 「光電話なら今の電話番号を必ず使える」
- 「電話機は必ずそのまま使える」
- 「固定電話なら停電時も必ず使える」
- 「IP電話なら110・118・119は全部使えない」
- 「固定電話ならすべての特殊番号へ発信できる」
- 「FAXはどの電話サービスでも同じように使える」
- 「電話を使っていないなら電話回線に接続した機器もない」
- 「番号さえ移れば電話サービスの変更は問題ない」
営業担当者は、どこまで覚えればよい?
TEL-01では、 次の8点を理解できれば十分です。
- 固定電話は電話機だけではなく、電話サービス全体で考える
- 電話番号・電話サービス・回線・宅内機器・電話機を分けて考える
- 0AB-J番号は市外局番から始まる固定電話番号
- IP電話には0AB-J番号を使うものと050番号を使うものがある
- 固定電話には光・CATV等のネットワークを利用するサービスもある
- 停電・緊急通報・特殊番号等はサービス条件を確認する
- FAX・警備・決済端末等が電話回線を利用していないか確認する
- 電話番号や機器の継続利用を確認前に約束しない
次のTEL-02では、 0AB-J・050・番号ポータビリティ・ 電話番号を継続利用するときの基本を もう一段詳しく学びます。
まとめ
- 固定電話は電話機そのものだけを意味するものではない
- 電話番号・電話サービス・通信回線・宅内機器・電話機を分けて考える
- 03・06・096などの市外局番から始まる固定電話番号を0AB-J番号と呼ぶ
- 050番号を利用するIP電話サービスもある
- IP電話=050番号だけではない
- 0AB-J番号を利用するIP電話サービスもある
- 固定電話=必ずメタル回線ではない
- 光回線を利用する固定電話サービスがある
- CATV事業者等が提供する固定電話サービスもある
- サービスによってONU・ホームゲートウェイ・電話用アダプタ等が関係する場合がある
- 現在の電話機をそのまま使えるかは確認が必要
- 停電時の利用可否はサービス・機器等によって異なる
- 110・118・119等の緊急通報対応はサービス条件を確認する
- 特殊番号への発信可否もサービスごとに確認する
- FAX・警備・エレベーター・決済端末等が電話回線を利用している場合がある
- 電話サービス変更前には電話番号以外の利用機器・サービスも確認する
- 番号継続・機器対応等を確認前に断定しない
理解度チェック
内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。
Q1 IP電話サービスでは、 必ず050から始まる電話番号を利用する。 ○か×か?
回答を見る
IP技術を利用する電話サービスの中には、 03・06などの市外局番から始まる 0AB-J番号を利用するものもあります。
「IP電話=050番号」 と固定して覚えないようにします。
Q2 お客様が 「固定電話はほとんど使っていない」 と話したため、 電話サービスを変更しても 他の機器への影響は確認しなくてよい。 ○か×か?
回答を見る
固定電話回線を、 FAX、 警備機器、 自動通報装置、 決済端末等で 利用している場合があります。
音声通話の利用頻度だけで判断せず、 電話回線に接続している機器・サービスも確認します。
Q3 お客様から 「今の電話番号と電話機を そのまま使えますか?」 と聞かれました。 どのように対応しますか?
回答を見る
電話番号の継続条件や、 電話機・FAX等の対応は サービスによって異なります。
「そのまま使えます」 と先に約束せず、 最新の公式情報・自社資料で確認してから お客様へ案内します。
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理解度チェック
全3問中2問以上正解で、この研修は完了です。
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