SALES-01では、 営業実務の最初から契約後までの 全体フローを確認しました。
その最初にあるのが、 「接点をつくる」 です。
お客様と出会った瞬間に、 すぐ商品説明を始める必要はありません。
まず大切なのは、 お客様の状況を見て、 話しかけてもよい状態かを確認し、 安心して話せる入口をつくること です。
SALES-02では、 第一印象、 挨拶、 声のかけ方、 距離感、 タイミング、 お客様の反応の見方を学びます。
まず動画で全体像を確認しましょう
SALES-02「第一印象と最初の声かけ」の重要なポイントを、 約3分の動画で確認できます。 まず動画で全体像をつかみ、 詳しい内容はこのページの本文で確認してください。
この研修の3行まとめ
- 第一印象は「元気に売り込むこと」ではなく、お客様が安心して話せる入口をつくること。
- 声をかける前に相手の状況を見て、声をかけた後は相手の反応を待つ。
- 話したくない・今は時間がないという意思が示されたら、無理に会話を続けない。
このページで学ぶこと
- 第一印象の考え方
- 清潔感・表情・姿勢・視線
- 声量・話す速度
- お客様との距離
- 声をかけるタイミング
- 分かりやすい名乗り方・目的の伝え方
- お客様の反応に合わせた対応
- 店舗・イベント・訪問など場面別の声かけ
SALES-01の「接点をつくる」を詳しく学ぶ
SALES-01では、 営業実務を13段階の流れで整理しました。
SALES-02で扱うのは、 その最初にある 「接点をつくる」 です。
第一印象は、営業の「入口」
第一印象だけで 契約が決まるわけではありません。
しかし、 最初に不安や不快感を与えると、 その後の会話が始まりにくくなることがあります。
逆に、 落ち着いていて、 誰なのかが分かり、 無理に話を進めない相手であれば、 お客様も質問しやすくなります。
POINT
第一印象の目的は 「好かれること」ではなく、 「安心して話せる状態をつくること」です。
第一印象を5つの項目で整理する
見た目
清潔感・表情・ 姿勢・身だしなみ。
声
聞き取りやすい声量・ 話す速度。
距離
近づきすぎず、 相手の空間を尊重する。
タイミング
急いでいる・作業中など、 相手の状況を見る。
言葉
誰なのか、 何のための声かけかを 分かりやすくする。
身だしなみは「おしゃれ」ではなく「不快感を与えない」
営業担当者の身だしなみは、 高価な服や おしゃれさを競うものではありません。
お客様が会話するときに 不快感や不安を感じにくい状態を 整えることが基本です。
たとえば、 次のような点を確認します。
- 服装が大きく乱れていないか
- 制服・名札等を決められた方法で着用しているか
- 髪・顔まわりが清潔に見えるか
- 靴や持ち物が極端に汚れていないか
- 強すぎる香りになっていないか
- 爪・手元が不衛生に見えないか
GOOD|こう考える
「自分がおしゃれだと思うか」ではなく、 「お客様に不快感を与えにくいか」で考えます。
「笑顔で元気よく」だけが正解ではない
明るい表情は大切ですが、 常に大きな笑顔・大きな声で 接する必要はありません。
お客様によっては、 静かで落ち着いた対応の方が 安心して話せることもあります。
表情
無表情になりすぎず、 自然で穏やかな表情を意識する。
姿勢
威圧的・だらしなく見えない 自然な姿勢をとる。
視線
相手の様子を確認する。 見つめ続ける必要はない。
注意
「笑顔が大きい=良い接客」 と単純化しません。
相手の雰囲気や状況に合わせて、 落ち着いた対応も使い分けます。
声量と話す速度を「相手に合わせる」
緊張すると、 声が小さくなったり、 反対に必要以上に大きくなったり、 早口になったりすることがあります。
GOOD|こう対応する
- 相手に届く声量で話す
- 早口になりすぎない
- 一文を短めにする
- 相手が聞き取りにくそうなら言い直す
- 周囲が騒がしい場合は状況に合わせる
NG|こうしない
- 緊張して一気に話す
- 必要以上に大きな声を出す
- 聞こえていないのにそのまま説明を続ける
- 機械的な早口で台本を読み上げる
お客様との距離は「近ければよい」ではない
適切な距離は、 店舗、 訪問、 イベント等の場面や お客様によって変わります。
一律に 「○メートルが正解」 と覚える必要はありません。
特に避けたいのは、 次のような状態です。
- 必要以上に顔を近づける
- お客様の正面をふさいで移動を妨げる
- 後ろから突然近づく
- 逃げ道をふさぐような位置に立つ
- 商品やスマートフォンを見るために無断で近づく
声をかける前に、お客様の状況を見る
同じ言葉でも、 声をかけるタイミングによって 受け取られ方は変わります。
声をかける前に、 たとえば次のような状況を見ます。
- 急いで移動していないか
- 電話中ではないか
- 他の人と会話中ではないか
- 何かの作業中ではないか
- 困って周囲を見ていないか
- 案内表示・商品をじっくり見ていないか
- スタッフを探している様子はないか
- 単に見ているだけではないか
GOOD|こう対応する
自分が話したいタイミングではなく、 お客様が話せそうなタイミングを見る。
相手の作業・会話・移動を邪魔しない
お客様と話したいからといって、 今行っている行動を 無理に止めてもらう必要はありません。
NG|こうしない
- 歩いているお客様の進路をふさぐ
- 電話中のお客様へ説明を始める
- 家族同士の会話へ突然割り込む
- 作業中なのに長い説明を始める
- 「すぐ終わります」と会話を続けようとする
最初の接点は「4段階」で考える
POINT
声をかけた瞬間に、 商品説明へ進まないことが重要です。
最初から商品説明を始めない
NG|最初から説明しない
- 「今ならネットが○円です」から始める
- キャンペーン内容を一気に説明する
- 「一番おすすめはこちらです」と始める
- 料金表をすぐ見せる
- 相手が聞いていないサービスまで紹介する
GOOD|こう対応する
まず、 「何について見ているのか」 「何か困っているのか」 を確認します。
最初から個人情報・契約情報を細かく聞かない
初対面の段階で、 必要性を説明せずに 個人情報や詳しい契約情報を次々に聞くと、 お客様が不安を感じる場合があります。
NG|最初から聞かない
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 契約者名義
- 詳しい請求情報
- 本人確認書類
GOOD|こう対応する
最初は相談内容を確認し、 必要になった段階で 理由を説明して必要な情報を確認します。
「何かお探しですか?」だけで終わらない
「何かお探しですか?」 という声かけ自体が 悪いわけではありません。
ただし、 お客様からすると 「何を答えればよいのか分からない」 ことがあります。
店舗
「ネットのご案内をご覧ですか? 気になるところがあれば ご説明できますのでお声かけください」
料金表を見ている
「料金についてご覧ですか? 分かりにくいところがあれば 一緒に確認できます」
困っていそう
「何かお困りでしょうか? 分かる範囲でお手伝いします」
注意
例文をそのまま暗記するのではなく、 お客様の状況に合う自然な言葉 に変えます。
声をかけたら、一度「待つ」
声をかけた後に、 営業担当者がそのまま話し続けると、 お客様が返事をするタイミングを 失ってしまいます。
NG|こうしない
「こんにちは。 ネットのキャンペーンをやっていまして、 今なら工事費も――」
のように、 相手の反応を待たず 一気に説明を続けません。
お客様の反応を3つに整理する
声をかけた後は、 お客様の言葉・状況を見て 次の行動を判断します。
話せそう
質問がある、 会話が続く、 話を聞く意思が確認できる。
→ 必要な内容を聞く。
少し様子を見る
見ている途中、 返答が短い、 まだ相談内容が決まっていない。
→ 距離を取り、必要なら声をかけてもらう。
今は話さない
急いでいる、 「結構です」等の意思がある、 会話を希望していない。
→ 無理に続けない。
注意
表情や態度だけで 「興味がある」と決めつけません。
必要に応じて、 言葉で確認します。
「今は結構です」と言われたら、無理に続けない
お客様が 「結構です」 「今は必要ありません」 「急いでいます」 など、 会話・勧誘を希望しない意思を示した場合は、 無理に話を続けません。
NG|こうしない
- 「でも本当に安くなるんですよ」と続ける
- 別の商品へ話題を変えて勧誘する
- 離れた後にすぐもう一度声をかける
- 「聞くだけでいいので」と引き止める
- 断った理由を執拗に聞く
GOOD|こう対応する
「承知しました。 ご覧になっていて何か分からないことがあれば、 お声かけください」
「誰なのか」「何の案内なのか」を曖昧にしない
お客様の警戒心を下げるために、 営業だと分からないような 名乗り方をする必要はありません。
むしろ、 自分が誰で、 何のために話しかけているのかが 分からない方が、 お客様は不安になる場合があります。
GOOD|研修上の基本
- 自分の所属・立場を分かりやすくする
- 何のサービスについての案内かを分かりやすくする
- 勧誘・サービス案内である場合は曖昧にしない
- 代理店等の場合は決められた名乗り方に従う
- 対象事業者・自社の正式な営業ルールに従う
NG|誤解させない
- 営業だと分からないように話を始める
- 通信会社本人のように誤解される名乗り方をする
- 点検・確認だけのように見せて後から営業へ変える
- 自分の立場を質問されても曖昧にする
「少しだけです」「すぐ終わります」と安易に言い切らない
お客様に話を聞いてもらうために、 必要以上に短い時間で終わるような 表現を使わないようにします。
NG|こうしない
- 「30秒だけです」と根拠なく言う
- 「絶対すぐ終わります」と言う
- 「説明だけです」と言って契約勧誘へ進む
GOOD|こう対応する
「今、お話しても大丈夫でしょうか?」
と、 お客様に時間があるかを確認します。
場面によって、最初の声かけは変わる
営業の入口は、 どの場所でも同じではありません。
店舗・ショップ
お客様が何を見ているかを確認し、 必要な場合にサポートへ入る。
イベント・催事
何のブース・案内なのかを 分かりやすくしたうえで声をかける。
訪問
所属・目的・対象サービス等を 決められた手順に沿って明確に伝える。
紹介・既存顧客
紹介だからといって すぐ営業へ進まず、 相談内容・時間を確認する。
場面別|店舗・ショップでの声かけ例
たとえば、 次のような入り方があります。
- 「いらっしゃいませ。ごゆっくりご覧ください」
- 「ネットの料金についてご覧ですか?」
- 「分からないところがあればご案内できますので、お声かけください」
- 「何かお困りのことはありますか?」
POINT
入店した瞬間から付きまとわず、 お客様が自分で見られる時間もつくります。
場面別|イベント・催事での声かけ例
- 「こちらはインターネット・通信サービスの相談ブースです」
- 「Wi-Fiや通信料金について、気になることはありますか?」
- 「サービスのご案内をしています。今、お話しても大丈夫でしょうか?」
注意
景品・抽選等をきっかけにする場合でも、 その後何の案内をするのかが 分からない状態にしません。
場面別|訪問時の声かけ例
訪問では、 お客様から見れば 「知らない人が自宅等へ来た状態」です。
店舗以上に、 自分の立場と目的を 分かりやすくすることが重要です。
例
「〇〇の△△と申します。 本日はインターネット・通信サービスの ご案内で伺いました。 今、お話してもよろしいでしょうか?」
重要
実際の名乗り方・説明項目は、 自社・対象事業者の正式なルールに従います。
場面別|紹介・既存顧客からの相談
紹介されたお客様だからといって、 すぐ商品提案へ入る必要はありません。
例
「〇〇様からご紹介いただきました△△です。 通信サービスについてご相談があると伺っています。 今、お時間よろしいでしょうか?」
POINT
「紹介された=営業を受けたい」 と決めつけません。
まず本人の相談内容と状況を確認します。
GOOD|望ましい第一印象・声かけ
GOOD
- 清潔感のある身だしなみ
- 自然で穏やかな表情
- 聞き取りやすい声量
- 早口になりすぎない
- お客様との距離を取りすぎ・詰めすぎない
- 相手の作業・移動を邪魔しない
- 声をかける前に状況を見る
- 声をかけたら反応を待つ
- 誰なのか・何の案内かを分かりやすくする
- 話したくなさそうなら距離を取る
- 断られたら無理に続けない
NG|避けたい第一印象・声かけ
NG
- 身だしなみが大きく乱れている
- 無表情のまま機械的に話す
- 早口で一気に説明する
- 必要以上に大声で話す
- お客様へ近づきすぎる
- 進路をふさぐ
- 電話・会話・作業中に割り込む
- 最初から商品説明を始める
- 最初から個人情報を細かく聞く
- 相手の反応を待たず話し続ける
- 営業であることを分かりにくくする
- 誤解を招く名乗り方をする
- 「絶対すぐ終わる」と根拠なく言う
- 断られた後も話を続ける
新人営業がやりがちな失敗
声が小さい
緊張して聞き取れない 声量になる。
早口になる
覚えた説明を 一気に話してしまう。
無表情になる
緊張で表情が硬くなり、 不安そうに見える。
近づきすぎる
熱心に聞こうとして 距離を詰めすぎる。
商品説明から入る
沈黙が怖くなり、 すぐ説明を始める。
話し続ける
相手の反応を待たず、 次の説明へ進んでしまう。
POINT
上手に話すことより、 相手の反応を確認できることを優先します。
会話例|「ちょっと見ているだけです」
いらっしゃいませ。 ネットのご案内をご覧ですか?
いえ、 ちょっと見ているだけです。
承知しました。 ごゆっくりご覧ください。
分からないところがあれば ご案内できますので、 そのときはお声かけください。
GOOD
「見るだけ」という意思を尊重して、 一度距離を取っています。
会話例|「今急いでいます」
こんにちは。 通信サービスについて ご案内しています。
今、お話しても大丈夫でしょうか?
すみません、 今急いでいます。
承知しました。 お引き止めして申し訳ありません。
GOOD
「少しだけなので」と 引き止めていません。
会話例|「ネットのことを少し聞きたい」
ネットのことを 少し聞きたいんですが。
ありがとうございます。 もちろんです。
今日はどのようなことで お困りでしょうか?
最近Wi-Fiが遅い気がしていて。
Wi-Fiの速度が気になっているんですね。
まず今の利用環境を確認しながら、 原因になりそうなところを 一緒に整理してみましょう。
GOOD
相談を受けてもすぐ商品提案へ進まず、 SALES-03の「聞く」へつないでいます。
会話例|「営業ですか?」
これって営業ですか?
はい。 通信サービスのご案内です。
ご興味がなければ 無理にご案内することはありません。
ネットの料金だけなら 少し気になっています。
ありがとうございます。 では現在のネット料金で 気になっているところから 確認してもよろしいですか?
GOOD
営業であることを隠さず、 お客様が話すかどうかを選べる状態にしています。
営業担当者は、どこまで覚えればよい?
SALES-02では、 次の8点を理解できれば十分です。
- 第一印象は「安心して話せる入口」をつくるためのもの
- 見た目・声・距離・タイミング・言葉の5つを見る
- 声をかける前にお客様の状況を見る
- 最初から商品説明・細かな個人情報確認へ進まない
- 声をかけたら相手の反応を待つ
- 自分が誰で、何の案内なのかを曖昧にしない
- 話したくない・急いでいる場合は無理に続けない
- 会話が始まったら、次は「聞く」へ進む
まとめ
- 第一印象は営業の入口
- 第一印象だけで契約が決まるわけではない
- 目的はお客様が安心して話せる状態をつくること
- 身だしなみは「おしゃれ」ではなく「不快感を与えない」を基本にする
- 表情・姿勢・視線を自然に整える
- 「笑顔で元気よく」だけを正解にしない
- お客様に届く声量で、早口になりすぎない
- 相手にとって安心できる距離を取る
- 相手の作業・会話・移動を邪魔しない
- 声をかける前にお客様の状況を見る
- 接点 → 挨拶 → 状況確認 → 会話開始の順に考える
- 最初から商品説明へ進まない
- 最初から個人情報・契約情報を細かく聞かない
- 「何かお探しですか?」だけでなく状況に合わせて声をかける
- 声をかけたら相手の反応を待つ
- 話せそう・様子を見る・今は話さないを見極める
- 表情だけで興味があると決めつけない
- 話したくない意思があれば無理に続けない
- 自分が誰なのか・何の案内なのかを曖昧にしない
- 営業であることを分かりにくくする必要はない
- 「少しだけ」「すぐ終わる」と安易に言い切らない
- 店舗・イベント・訪問・紹介では入口の作り方が異なる
- 営業担当者側の都合よりお客様の状況を優先する
- 上手に話すことより、相手の反応を確認する
- 会話が始まったら次は「聞く」へ進む
理解度チェック
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Q1 第一印象を良くするには、 すべてのお客様に大きな声と大きな笑顔で 元気よく話しかけるのが最もよい。 ○か×か?
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お客様によっては、 落ち着いた声量や 静かな対応の方が 安心につながる場合があります。
相手の状況に合わせた 自然な対応を意識します。
Q2 お客様へ声をかけたところ、 「今は結構です」と言われました。 どのように対応しますか?
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「でも安くなります」 「少しだけ聞いてください」 と引き止めません。
お客様の意思を尊重します。
Q3 お客様から 「ネットについて少し聞きたい」 と相談されました。 最初に何をしますか?
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すぐにおすすめプランや キャンペーンを紹介するのではなく、 相談内容を聞きます。
ここから次の SALES-03「ヒアリングの基本」へ つながります。
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