スマートフォンやパソコンを インターネットへつなぐ方法には、 Wi-Fiによる無線接続と、 LANケーブルを使う有線接続があります。
営業担当者として大切なのは、 「Wi-Fiは遅い」 「有線なら絶対に速い」 と単純に覚えることではありません。
お客様がどこで、 どの端末を、 何に使うのかを確認し、 Wi-Fiと有線LANそれぞれの特徴を 分かりやすく説明できること が重要です。
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この研修の3行まとめ
- Wi-Fiは電波、有線LANはLANケーブルを使って端末を家庭内ネットワークへ接続する。
- Wi-Fiの状態は、距離・壁・床・家具・設置場所・周囲の電波環境などによって変わる。
- 「Wi-Fiが弱い=回線が遅い」と決めず、回線・ルーター・宅内環境・端末を分けて考える。
このページで学ぶこと
- Wi-Fiとは何か
- 有線LANとは何か
- Wi-Fiと有線LANの違い
- Wi-Fiの電波に影響するもの
- 2.4GHz・5GHz・6GHzの基本
- 中継機・メッシュWi-Fiの考え方
- お客様宅で確認するポイント
Wi-Fiとは
技術的にはこういう意味
Wi-Fiは、 対応する端末を 無線LANアクセスポイントなどへ 電波を使って接続するための仕組みです。
家庭では、 Wi-Fi機能を持つルーターから電波を出し、 スマートフォン・パソコン・テレビ等を 家庭内ネットワークへ接続する構成が よく使われています。
お客様にはこう説明する
「スマートフォンやパソコンなどを、 ケーブルを使わず電波で ご家庭のネットワークへつなぐ方法です」
Wi-Fiとインターネットは同じものではない
NET-01でも学んだとおり、 Wi-Fiはインターネットそのものではありません。
- インターネット: 世界中のネットワークへつながる通信基盤
- Wi-Fi: 家庭内などで端末を無線接続する方法
POINT
Wi-Fi = インターネットではありません。
Wi-Fiは、 インターネットへつながる途中にある 宅内側の接続方法の一つです。
有線LANとは
技術的にはこういう意味
有線LANは、 LANケーブルを使って ルーターやネットワーク機器と パソコン・テレビ・ゲーム機などを 接続する方法です。
利用するには、 ルーター側と端末側に 対応するLANポート等が必要です。
お客様にはこう説明する
「ルーターとパソコンやテレビなどを LANケーブルで直接つなぐ方法です」
Wi-Fiルーターと無線アクセスポイント
Wi-Fiの説明では、 「Wi-Fiルーター」 「無線LANアクセスポイント」 という言葉が出てくることがあります。
Wi-Fiルーター
ルーター機能と Wi-Fiで端末を接続する機能を 一つの機器が持つもの。
無線アクセスポイント
Wi-Fi対応端末を 無線でネットワークへ接続する 拠点となる機器。
注意
Wi-Fiの電波を出している機器が、 必ずルーター機能も担当しているとは限りません。
上位機器にルーター機能があり、 Wi-Fi機器をアクセスポイントとして 利用している場合などがあります。
ルーターから端末までの接続を整理する
家庭内では、 Wi-Fiと有線LANを 同時に利用している場合もあります。
POINT
Wi-Fiか有線LANかは、 端末や利用場所によって 使い分けることができます。
Wi-Fiと有線LANを比較する
| 比較項目 | Wi-Fi | 有線LAN |
|---|---|---|
| 接続方法 | 電波で無線接続 | LANケーブルで接続 |
| 移動しながら利用 | スマホ等を移動させながら 利用しやすい | ケーブルの届く範囲が基本 |
| 影響する要素 | 距離・壁・床・周囲の電波・ ルーター・端末等 | LANポート・ケーブル・ 端末・ネットワーク機器等 |
| 必要なもの | Wi-Fi対応親機・ Wi-Fi対応端末等 | LANポート・ 対応LANケーブル等 |
| 実際の通信速度 | 接続方法だけでは決まらない。 回線・機器・端末・規格・利用環境等を確認する | |
POINT
「有線=必ず速い」 「Wi-Fi=必ず遅い」 と単純化しません。
Wi-Fiの電波は、家の中の環境によって変わる
Wi-Fiは電波を使うため、 ルーターと端末の間にあるものや 距離などによって、 電波の届き方が変わる場合があります。
距離
ルーターから離れるほど 電波が弱くなる場合があります。
壁・扉
材質や厚さによって 電波が弱くなる場合があります。
床・階数
1階と2階など、 階をまたぐことで 電波状況が変わる場合があります。
家具・収納
大きな家具や収納場所によって 電波が遮られる場合があります。
金属
金属製の棚などが 電波へ影響する場合があります。
周囲の電波
他のWi-Fiや家電等との 電波干渉が起こる場合があります。
Wi-Fiが届きにくくなるイメージ
実際の電波状況は建物ごとに異なりますが、 次のように考えると分かりやすくなります。
注意
「壁が1枚あれば必ず遅くなる」 「2階なら必ずつながらない」 という意味ではありません。
建材、 間取り、 ルーター性能、 周波数帯、 端末等によって状況は変わります。
Wi-Fiルーターの設置場所も重要
同じWi-Fiルーターでも、 設置場所によって 電波の届き方が変わる場合があります。
電波状況へ影響する可能性がある 設置例として、 次のような場所があります。
- 家の端や部屋の隅
- 床に近い場所
- 大きな家具の陰
- 収納棚の内部
- 金属製の棚・金属製品の近く
- 電子レンジなど電波干渉の可能性がある機器の近く
POINT
「ルーターがあるか」だけでなく、 「どこに置いているか」も確認します。
電子レンジなどがWi-Fiへ影響する場合もある
2.4GHz帯は、 Wi-Fi以外の機器でも 利用されている周波数帯です。
電子レンジやBluetooth機器、 コードレス電話など、 同じ周波数帯を利用する機器の影響で 通信状態が変わる場合があります。
注意
電子レンジが近くにあるからといって、 必ずWi-Fi障害が起こるわけではありません。
あくまで、 Wi-Fiへ影響する可能性がある要素の一つとして考えます。
2.4GHz・5GHz・6GHzの基本
現在のWi-Fiでは、 2.4GHz帯、 5GHz帯、 6GHz帯などが利用されています。
新人営業担当者は、 細かなチャネルや電波設計まで 暗記する必要はありません。
| 周波数帯 | 大まかな特徴 | 注意すること |
|---|---|---|
| 2.4GHz | 比較的遠くまで届きやすく、 対応機器も多い | 他のWi-Fiや家電等との 干渉を受ける場合がある |
| 5GHz | Wi-Fiで広く利用されている 周波数帯の一つ | 2.4GHzと比較して 壁・床・距離等の影響を 受けやすい場合がある |
| 6GHz | 6GHz対応Wi-Fiで利用される 比較的新しい周波数帯 | 対応するルーター・端末が必要。 壁・床・距離等の影響も考慮する |
こんな覚え方はしない
- 「2.4GHzは必ず遅い」
- 「5GHzなら必ず速い」
- 「6GHzならどの部屋でも一番快適」
POINT
周波数帯にはそれぞれ特徴があり、 「数字が大きいほど必ず良い」 ではありません。
Wi-Fi 4・5・6・6E・7は「世代名」として理解する
Wi-Fiには、 技術の世代を表す名称があります。
- Wi-Fi 4: IEEE 802.11n世代
- Wi-Fi 5: IEEE 802.11ac世代
- Wi-Fi 6: IEEE 802.11ax世代
- Wi-Fi 6E: Wi-Fi 6の技術を6GHz帯へ拡張した世代
- Wi-Fi 7: IEEE 802.11be世代
POINT
規格名を全部暗記する必要はありません。
新しい世代では 通信性能や効率等が進化していますが、 実際の利用には対応機器や利用環境も関係します。
新しいWi-Fi機能は「ルーターだけ」では決まらない
新しいWi-Fi規格や6GHz帯などを 利用するには、 Wi-Fiルーター側だけでなく、 接続するスマートフォンやパソコン等も 対応している必要があります。
注意
「Wi-Fi 7ルーターへ交換すれば、 家中の機器がすべてWi-Fi 7になる」 わけではありません。
有線LANも「ケーブルを挿せば全部同じ」ではない
LANケーブルには、 カテゴリー5e、 カテゴリー6、 カテゴリー6Aなど、 複数のカテゴリーがあります。
また、 ルーターやパソコン等の LANポートにも対応する通信速度があります。
有線LANでは、 次のような部分が関係します。
- ルーター側のLANポート
- LANケーブル
- 端末側のLANポート
- 利用するネットワーク機器
POINT
営業担当者がLANケーブル規格を 細かく暗記する必要はありません。
「有線LANにも対応規格がある」 ことを理解しておけば十分です。
「有線だから必ず速い」「Wi-Fiだから必ず遅い」ではない
実際の通信状態には、 Wi-Fiか有線LANか以外にも 多くの要素が関係します。
回線
契約サービスや 回線方式など。
ルーター
対応規格や 機器性能など。
Wi-Fi・LAN
接続方式・規格・ 電波環境など。
端末
スマホ・PC等の 対応性能。
利用サービス
動画・Webサイト・ ゲーム等の状況。
混雑・利用状況
同時利用端末や ネットワーク状況など。
注意
「最新ルーターへ交換すれば必ず速くなる」 とも限りません。
ボトルネックになっている部分が 別にある可能性があります。
「Wi-Fiの電波が弱い」と「回線が遅い」を分ける
家の中の無線環境
距離、 壁、 設置場所、 周波数帯、 ルーター、 端末などが関係します。
家庭から外へつながる通信
契約回線、 サービス、 ネットワーク状況などが 関係します。
POINT
Wi-Fiの電波が弱い = インターネット回線が遅い、 ではありません。
Wi-Fiマークがあっても、インターネットが使えないことがある
スマートフォン等に Wi-Fiマークが表示されていても、 その先の回線や通信機器等に問題があると、 インターネットへ接続できない場合があります。
POINT
Wi-Fiマークは 「インターネットが正常」という保証ではありません。
広い家・複数階では、1台で十分とは限らない
戸建て住宅や 2階建て・3階建て、 広いマンションなどでは、 Wi-Fiルーター1台だけでは 希望する場所まで十分に電波が届かない場合があります。
このような場合に、 中継機やメッシュWi-Fiなどが 選択肢になることがあります。
Wi-Fi中継機
親機からのWi-Fi電波を中継し、 電波が届く範囲を 広げるために使われる機器。
メッシュWi-Fi
複数の対応機器を連携させ、 広い範囲をWi-Fiで カバーするための仕組み。
注意
中継機・メッシュWi-Fiを追加すれば 必ず改善するとは限りません。
親機との距離、 設置場所、 建物構造、 対応機器、 接続方法などを確認します。
営業では「どこで・何を使うか」を聞く
POINT
ルーターの商品説明より先に、 お客様の利用場所・用途・端末数を確認します。
会話例|「2階だけWi-Fiが弱い」と言われた場合
1階では普通に使えるんですが、 2階の寝室だけWi-Fiが弱いんです。
ありがとうございます。 Wi-Fiルーターは 1階のどの辺りに置かれていますか?
2階で使う端末や、 主に何をされるかも教えてください。
ルーターは1階の端にあって、 2階ではスマホで動画を見ています。
距離や床、 ルーターの設置場所などが Wi-Fiに影響している可能性があります。
まず現在の設置場所や機器を確認して、 必要であれば中継機やメッシュWi-Fiなども含めて 選択肢を整理しましょう。
会話例|「有線なら絶対に速い?」と聞かれた場合
LANケーブルでつなげば、 必ずWi-Fiより速くなるんですよね?
有線LANは電波状況の影響を受けないという 特徴がありますが、 実際の速度は接続方法だけでは決まりません。
回線、 ルーター、 LANポート、 ケーブル、 端末なども含めて 確認する必要があります。
POINT
特徴は説明する。 結果は保証しない。
よくある勘違い
こんな考え方はしない
- 「Wi-Fi=インターネット」
- 「Wi-Fiマークがあれば必ずネットにつながっている」
- 「Wi-Fiが弱い=回線が遅い」
- 「有線LANなら必ずWi-Fiより速い」
- 「Wi-Fiは必ず有線LANより遅い」
- 「2.4GHzは必ず遅い」
- 「5GHzなら必ず速い」
- 「6GHzなら必ず一番快適」
- 「最新Wi-Fiルーターへ交換すれば必ず速くなる」
- 「Wi-Fi 7ルーターなら古い端末もWi-Fi 7になる」
- 「中継機を置けば必ず改善する」
- 「メッシュWi-Fiなら家中どこでも必ず同じ速度になる」
営業担当者は、どこまで覚えればよい?
NET-04では、 次の8点を理解できれば十分です。
- Wi-Fiは電波、有線LANはケーブルで端末を接続する
- Wi-Fiとインターネットは同じものではない
- Wi-Fiは距離・壁・床・家具・設置場所等の影響を受ける場合がある
- 2.4GHz・5GHz・6GHzにはそれぞれ特徴がある
- Wi-Fi規格はルーターと端末双方の対応を確認する
- 有線LANにもポート・ケーブル等の対応条件がある
- Wi-Fiが弱いことと回線が遅いことを分けて考える
- 利用場所・用途・端末・人数から確認する
次のNET-05では、 インターネットサービスでよく使われる 「Mbps・Gbps・上り・下り・最大速度」を 詳しく学びます。
まとめ
- Wi-Fiは電波を使って端末を家庭内ネットワークへ接続する
- 有線LANはLANケーブルを使って端末を接続する
- Wi-Fiとインターネットは同じものではない
- Wi-Fiルーターはルーター機能とWi-Fi機能を持つ機器
- 無線アクセスポイントはWi-Fi端末をネットワークへ接続する拠点
- Wi-Fiは距離・壁・床・家具・設置場所等の影響を受ける場合がある
- 2.4GHz・5GHz・6GHzにはそれぞれ異なる特徴がある
- Wi-Fi 4・5・6・6E・7などの世代がある
- 新しい規格や周波数帯は親機と端末双方の対応を確認する
- 有線LANにもLANポート・ケーブル等の対応条件がある
- 有線だから必ず速い、Wi-Fiだから必ず遅いとは限らない
- Wi-Fiが弱いこととインターネット回線が遅いことは別に考える
- 中継機・メッシュWi-Fiが選択肢になる場合がある
- 中継機やメッシュWi-Fiでも必ず改善するとは限らない
- 営業では利用場所・端末・用途・人数を最初に確認する
理解度チェック
内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。
Q1 「Wi-Fiの電波が弱い」 ということは、 インターネット回線自体が遅いという意味である。 ○か×か?
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Wi-Fiの電波状況には、 ルーターとの距離、 壁・床、 設置場所、 周波数帯、 端末などが関係します。
インターネット回線側の状態とは 分けて考えます。
Q2 Wi-Fi 7対応ルーターへ交換すれば、 家にあるすべてのスマートフォンやPCが Wi-Fi 7として通信できる。 ○か×か?
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利用するWi-Fi機能には、 ルーター側だけでなく スマートフォン・PC等の端末側の 対応も関係します。
実際の対応規格・周波数帯を確認します。
Q3 お客様から 「2階だけWi-Fiが弱い」 と相談されました。 最初に何を確認しますか?
回答を見る
ルーターの設置場所、 2階までの距離、 間取りや階数、 使用している端末、 どのような用途で利用しているかなどを確認します。
すぐに 「回線が遅い」 「中継機を付ければ直る」 と決めつけません。
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