回線・プロバイダー・光・CATV回線

専門知識

インターネットサービスを理解するとき、 新人が混乱しやすいのが 「回線」と「プロバイダー」の違いです。

さらに、 光回線、CATVインターネット、 FTTH、HFCなどの言葉も登場します。

すべての商品名や契約方式を 暗記する必要はありません。 まずは、 「誰が何を提供しているのか」 「家庭までどのような回線で届いているのか」 を分けて考えます。

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NET-02|回線・プロバイダー・光・CATV回線 動画時間:約3分

この研修の3行まとめ

  1. 回線は、家庭まで通信を届けるための経路・アクセスサービス。
  2. プロバイダー(ISP)は、インターネットへの接続サービスを提供する事業者。
  3. 光・CATVなどの名称だけで優劣を決めず、回線方式・建物設備・契約内容を確認する。

このページで学ぶこと

  • インターネット回線とは何か
  • プロバイダー(ISP)の役割
  • 回線事業者とプロバイダーの違い
  • 光回線・FTTHの基本
  • CATVインターネット・HFCの基本
  • 現在の契約を確認するときのポイント

インターネット回線とは

TECHNICAL

技術的にはこういう意味

インターネットを利用するためには、 家庭と通信事業者側のネットワークをつなぐ 通信経路が必要です。

光ファイバーや CATV事業者のネットワークなどが、 家庭まで通信を届けるために利用されます。

FOR CUSTOMER

お客様にはこう説明する

「ご自宅と外の通信ネットワークをつなぐ、 インターネットの通り道のようなものです」

✓

POINT

回線=インターネットそのもの、 ではありません。

回線は、 インターネットへ接続するために使われる 通信経路・アクセスサービスとして考えます。

プロバイダー(ISP)とは

TECHNICAL

技術的にはこういう意味

ISPは Internet Service Provider の略です。

お客様をインターネットへ接続するための サービスを提供する事業者を指します。

実際のサービスでは、 回線サービスとISP機能・契約が 一体的に提供される場合もあります。

FOR CUSTOMER

お客様にはこう説明する

「回線を使って、 実際にインターネットへつなぐ役割を持つ サービス・事業者です」

「ただし、 現在は回線とまとめて契約するサービスもあります」

回線事業者とプロバイダーの役割を分ける

この研修では分かりやすくするため、 役割を次のように整理します。

比較 回線側 プロバイダー(ISP)側
主な役割 家庭まで通信経路を提供する インターネットへの 接続サービスを提供する
イメージ 家までの「道」 その道からインターネットへ 「つなぐ役割」
契約 別契約の場合もあれば、 一つのサービスとして まとめて提供される場合もある
!

注意

「回線会社とプロバイダーは 必ず別会社・別契約」 とは限りません。

実際の契約構造は、 利用サービスごとに確認します。

契約の見え方もサービスによって違う

お客様から見ると、 インターネットの契約方法は 大きく同じに見えることがあります。

しかし実際には、 サービスによって契約構造が異なります。

01

別々に契約する形

回線サービスと プロバイダーを 別々に契約する場合。

02

まとめて契約する形

回線とインターネット接続等を 一つのサービスとして 契約する場合。

✓

POINT

お客様が「ネット会社は○○です」 と答えても、 回線・ISP・請求元のどれを指しているか 分からない場合があります。

インターネット接続の関係を整理する

実際のネットワークや契約構造は サービスごとに異なりますが、 新人研修ではまず次の関係をイメージします。

1 インターネット 世界中のネットワーク
↕
2 ISP等 インターネット接続
↕
3 回線 光・CATV等
4 ONU・モデム等 回線と宅内側を接続
→
5 ルーター 宅内ネットワーク
→
6 利用端末 スマホ・PC・TV等
!

注意

この図は、 役割を理解するために簡略化したものです。

実際のネットワーク構成・契約関係が 必ずこの順番・分離になっているわけではありません。

光回線とは

TECHNICAL

技術的にはこういう意味

光回線は、 光ファイバーを利用して データ通信を行う回線です。

家庭向けのインターネット接続では、 光ファイバーを家庭まで引き込む FTTH方式などが利用されています。

FOR CUSTOMER

お客様にはこう説明する

「光ファイバーを使って、 ご自宅までインターネット通信を届ける方法です」

FTTHとは

FTTHは Fiber To The Home の略です。

一般家庭まで 光ファイバーを直接引き込み、 インターネットなどの通信サービスを 提供する方式です。

✓

営業担当者向けの覚え方

FTTH = 家庭まで光ファイバー。

まずはこの理解で十分です。

CATVインターネットとは

TECHNICAL

技術的にはこういう意味

CATV事業者が構築・利用する 地域の通信ネットワークを使って、 インターネット接続サービスを 提供するものです。

ネットワーク方式には、 FTTHやHFCなどがあり、 すべてのCATVインターネットが 同じ構成とは限りません。

FOR CUSTOMER

お客様にはこう説明する

「地域のケーブルテレビ事業者の ネットワークを使って インターネットを利用するサービスです」

「地域やサービスによって、 ご自宅まで光ファイバーで届く場合や、 光と同軸ケーブルを組み合わせる場合などがあります」

HFCとは

HFCは Hybrid Fiber Coaxial の略です。

CATVネットワークで使われる構成の一つで、 基幹部分では光ファイバーを利用し、 家庭への引き込み部分などに 同軸ケーブルを利用する方式です。

1 CATV局側 ネットワーク設備
→
2 光ファイバー 基幹部分など
→
3 同軸ケーブル 家庭への引込部分など
→
4 お客様宅 モデム等へ
✓

POINT

CATV = 全区間が同軸ケーブル、 ではありません。

CATV事業者でもFTTHを使うことがある

「光回線」と「CATV」を 完全に別物として覚えると、 誤解につながることがあります。

CATV事業者でも、 家庭まで光ファイバーを引き込む FTTH方式で インターネットサービスを提供することがあります。

×

こんな覚え方はしない

  • 「CATVは必ず同軸ケーブル」
  • 「光回線ならCATVではない」
  • 「CATVは昔の回線方式だけ」
✓

POINT

「誰が提供しているか」と 「どの回線方式を使っているか」を 分けて考えます。

光回線とCATVインターネットを比較する

この比較は、 優劣を決めるためではなく、 仕組みを整理するために使います。

比較項目 一般的な光回線 CATVインターネット
提供主体 光アクセスサービスを 提供する通信事業者等 地域のCATV事業者等
回線方式 FTTHなど FTTH・HFCなど 事業者・地域により異なる
家庭への引込 FTTHでは光ファイバー FTTHなら光ファイバー、 HFCなら同軸ケーブル等
宅内機器 ONU・ルーター等 ※サービスにより異なる ONU・ケーブルモデム・ルーター等 ※方式により異なる
提供条件 エリア・建物・設備・プラン等を確認 CATV提供エリア・建物・方式・プラン等を確認
通信速度 サービス名称だけでは判断しない。 契約プラン・回線方式・建物設備・宅内環境等を確認する
!

注意

「光だから速い」 「CATVだから遅い」 と一律に判断しません。

実際の速度については、 NET-05で詳しく学びます。

戸建てと集合住宅では、設備が違う場合がある

同じサービス名でも、 戸建てと集合住宅では 建物まで・建物内の設備構成が 異なる場合があります。

01

戸建て

道路側の設備等から 各住宅へ個別に回線を 引き込む場合などがあります。

02

集合住宅

建物の共用設備を経由して 各住戸へ通信を届ける場合などがあります。

✓

POINT

マンション名だけ、 サービス名だけで 宅内までの方式を決めつけません。

提供エリア・建物設備・ その住戸で利用できる方式を確認します。

集合住宅では「建物内の設備」も重要

集合住宅では、 建物まで高速な回線が来ていても、 建物内で各住戸へ届ける方式が 物件によって異なる場合があります。

また、 CATV導入済み物件、 光回線設備がある物件など、 建物ごとに利用できるサービスや工事条件も異なります。

!

注意

「このマンションは光対応だから、 どの部屋でも同じ条件」 とは限りません。

対象住戸での提供可否や 工事・設備条件を 正式なエリア確認等で確認します。

お客様が現在の契約を把握していないこともある

インターネット営業では、 「現在どこの回線を使っていますか?」 と聞いても、 お客様自身が分からないことがあります。

特に、 回線、 プロバイダー、 携帯電話会社、 請求元などの名称が混ざっていることがあります。

お客様

うちのネットですか? たぶん○○だったと思います。

営業担当者

ありがとうございます。 回線名とプロバイダー名が 別になっている場合もありますので、 分かる範囲で確認してみましょう。

現在の回線・契約を確認するときの考え方

お客様が契約内容を覚えていない場合は、 正式な情報を確認できるものを案内します。

たとえば、 次のようなものが確認材料になります。

  • 契約時の書類・契約内容通知
  • 毎月の請求書・利用明細
  • 契約事業者の公式マイページ
  • 契約事業者から届いたメール等
  • 自宅に設置されている機器や機器ラベル
!

注意

機器のロゴや見た目だけで 契約先を断定しないでください。

機器の提供元と 現在の契約先・請求元が 同じとは限らない場合があります。

営業では、現在の契約を順番に確認する

1 今のサービス名 分かる範囲で確認
→
2 請求元 明細・マイページ等
→
3 現在の設備 ONU・モデム・ルーター等
→
4 正式情報を確認 契約書・公式ページ等
✓

POINT

お客様が分からないことを 無理に答えてもらおうとしません。

正式な資料を確認しながら 一緒に整理します。

乗り換えでは「新しい回線」だけを見ない

インターネット回線を変更する場合、 新しいサービスの料金や速度だけを 説明すればよいわけではありません。

現在契約しているサービス側についても 確認が必要です。

  • 現在の契約先
  • 契約期間・解約条件
  • 解約時に発生する費用の有無
  • レンタル機器の返却
  • 撤去工事等の有無・条件
  • 新しい回線の工事・開通時期
  • 現在利用しているオプションサービス
!

注意

解約条件・工事・撤去・返却方法等は 事業者や契約によって異なります。

「たぶん費用はかかりません」 「工事は不要だと思います」 と推測で案内せず、 各事業者の最新公式情報を確認してください。

回線方式だけで「良い・悪い」を決めない

お客様から、 「光の方がいいですか?」 「CATVは遅いんですか?」 と聞かれることがあります。

お客様

やっぱり光回線の方が 絶対に速いですよね?

営業担当者

回線の名称だけでは、 実際の通信速度までは判断できません。

CATVでもFTTH方式のサービスがありますし、 契約プランや建物設備、 ご自宅のWi-Fi環境などでも 利用状況は変わります。

まず現在の環境と ご希望の使い方を確認して 比較しましょう。

✓

POINT

商品カテゴリーではなく、 実際のサービス条件を確認する。

よくある勘違い

×

こんな考え方はしない

  • 「回線=インターネットそのもの」
  • 「回線とプロバイダーは必ず別契約」
  • 「回線会社とプロバイダーは必ず別会社」
  • 「光回線なら絶対に速い」
  • 「CATVインターネットは必ず遅い」
  • 「CATVは全部同軸ケーブル」
  • 「光ファイバーを使っていればCATVではない」
  • 「同じサービス名なら戸建ても集合住宅も設備は同じ」
  • 「ONUやモデムを見れば契約先が必ず分かる」
  • 「乗り換えれば旧回線は自動的に全部解約される」

営業担当者は、どこまで覚えればよい?

NET-02では、 次の7点を理解できれば十分です。

  1. 回線は家庭まで通信を届ける経路・アクセスサービス
  2. ISPはインターネットへの接続サービスを提供する
  3. 回線とISPは別契約の場合と一体型の場合がある
  4. FTTHは家庭まで光ファイバーを引き込む方式
  5. CATVではFTTH・HFCなど複数の方式がある
  6. 回線名称だけで速度・優劣を判断しない
  7. 現在の契約は正式な資料を確認して整理する

次のNET-03では、 回線の先にある宅内機器 「ONU・モデム・ルーター」の違いを 詳しく学びます。

STEP2|専門知識の学び方

仕組みを理解する。
お客様には分かりやすく伝える。

商品名だけで判断せず、 実際の契約・回線方式を確認します。

まとめ

  • 回線は家庭と通信ネットワークをつなぐために利用される
  • プロバイダー(ISP)はインターネット接続サービスを提供する
  • 回線とプロバイダーが別契約の場合と一体型サービスの場合がある
  • 回線=インターネットそのものではない
  • FTTHは家庭まで光ファイバーを引き込む方式
  • CATVインターネットにはFTTH・HFCなど複数の方式がある
  • HFCは光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせる方式
  • CATV=必ず同軸ケーブルではない
  • 戸建て・集合住宅では設備構成が異なる場合がある
  • 光・CATVという名称だけで速度や優劣を決めない
  • 現在の契約は契約書・請求書・公式マイページ等で確認する
  • 乗り換え時は解約・機器返却・工事等の最新条件も確認する
CHECK

理解度チェック

内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。

Q1 インターネット回線とプロバイダーは、 必ず別々の会社と契約する。 ○か×か?

回答を見る
答え:×

回線とプロバイダーを 別々に契約する場合もありますが、 一つの事業者・サービスとして まとめて提供される場合もあります。

実際の契約構造を確認します。

Q2 「CATVインターネットは、 家庭まで必ず同軸ケーブルで届ける」 ○か×か?

回答を見る
答え:×

CATV事業者でも、 家庭まで光ファイバーを引き込む FTTH方式を利用する場合があります。

HFCなど他のネットワーク構成もあるため、 実際の提供方式を確認します。

Q3 お客様から 「今どこのネットを使っているか分からない」 と言われました。 どう対応しますか?

回答を見る
答え: 正式な契約情報を確認しながら整理します

契約書、 請求書・利用明細、 公式マイページ等を確認します。

機器の見た目や お客様の記憶だけで 契約先・回線方式を断定しません。

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CHECK

理解度チェック

全3問中2問以上正解で、この研修は完了です。

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目次