通信サービス営業では、 商品知識や営業スキルだけでなく、 「この人なら安心して話せそう」 と思ってもらえる対応も大切です。
挨拶、言葉遣い、電話、メール、 時間の約束、報告・連絡・相談。
これらは単なる形式ではなく、 相手が安心してやり取りするための行動です。
この研修の3行まとめ
- 待たせない。返事や対応を放置しない。
- 迷わせない。次に何をすればよいかを分かりやすく伝える。
- 不快にさせない。言葉や態度で不要な不快感を与えない。
このページで学ぶこと
- 通信サービス営業で大切な基本的なマナー
- 「待たせない・迷わせない・不快にさせない」という行動原則
- お客様や社内の人と安心してやり取りするための具体的な行動
マナーは、相手への配慮を行動で示すこと
ビジネスマナーというと、 正しい敬語やお辞儀などを イメージするかもしれません。
もちろん基本的な作法も大切です。
しかし本当に重要なのは、 相手が安心してやり取りできるように行動することです。
POINT
マナーは、相手への配慮を 行動で示すこと。
完璧な敬語を使うことより、 相手が安心してやり取りできる対応を大切にします。
3つの行動原則
-
待たせない
返事や対応を放置しません。 時間がかかる場合も、 今どうなっているのかを伝えます。 -
迷わせない
次に何をすればよいのか、 いつ返事が来るのか、 今どういう状況なのかを分かりやすく伝えます。 -
不快にさせない
言葉遣い、態度、身だしなみ、 押しつけなどによって、 相手へ不要な不快感を与えないようにします。
第一印象は「安心して話せるか」で考える
営業担当者は、 お客様と初めて会った短い時間の中で、 「この人と話して大丈夫そうか」 と判断されることがあります。
第一印象では、 次のようなことを意識します。
- 挨拶をする
- 相手の方を見て話す
- 聞き取りやすい声で話す
- 落ち着いた姿勢で接する
- 清潔感を保つ
- 威圧するような態度を取らない
身だしなみについて
全員が同じ見た目でなければならない という意味ではありません。
所属先のルールを守ったうえで、 お客様に不安や不快感を与えない状態 を意識します。
接客は、いきなり商品説明から始めない
お客様を見つけたら、 すぐに商品説明を始める。
これは一見、 積極的な営業に見えるかもしれません。
しかし、お客様にはそれぞれ状況があります。
- 急いでいる
- 他の用事で来ている
- 今は説明を聞く時間がない
- すでに別のスタッフと話している
- まず自分で見たい
まずは相手の状況を見てから声をかけます。
POINT
「話す力」だけでなく、 「相手を見る力」も営業には必要です。
お客様から断られた場合は、一度引く
お客様から 「今日は大丈夫です」 「必要ありません」 などと言われた場合は、 その意思を尊重します。
今日は大丈夫です。
分かりました。 ありがとうございます。
断られた後も話を続けることが、 丁寧な営業とは限りません。
言葉遣いは「正しさ」だけでなく「伝わりやすさ」
丁寧な言葉遣いは必要です。
しかし、 難しい敬語を完璧に使うことが 目的ではありません。
- 丁寧な言葉で話す
- 馴れ馴れしくなりすぎない
- 過度に堅苦しくしない
- 専門用語をそのまま使いすぎない
- 相手が理解できているか確認する
例えば、 「ONU」 「IPv6」 「上り速度」 などの専門用語を使う場合は、 必要に応じて分かりやすい言葉で補足します。
POINT
正しい敬語を完璧に使うことより、 相手が安心してやり取りできることを 大切にします。
お客様を「何も言わずに待たせない」
通信サービス営業では、 確認やシステム処理などで お客様に待っていただくことがあります。
例えば、
- 料金を確認する
- 契約条件を調べる
- 担当者へ確認する
- システム入力を行う
- 工事条件を確認する
待っていただくこと自体が 問題なのではありません。
問題になるのは、 「何を待っているのか分からない」 「いつまで待つのか分からない」 という状態です。
会話例1|確認のためお客様を待たせる場合
避けたいのは、 「ちょっと待ってください」 だけ伝えて、 そのまま席を離れることです。
こちらは確認が必要ですので、 担当者に確認してまいります。 少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか。
さらに時間がかかる場合は、
確認にもう少し時間がかかりそうです。 お待たせして申し訳ありません。
POINT
待ち時間そのものより、 「状況が分からないこと」が 相手を不安にさせます。
分からない質問には、分かったふりをしない
お客様から質問されたとき、 「すぐ答えないと頼りなく見えるのではないか」 と感じることがあります。
しかし、 分からないことを推測して答える方が問題です。
「分かりません」 だけで終わらせるのではなく、 確認して回答するところまで伝えます。
会話例2|分からない質問をされた場合
この建物でも工事できますか?
こちらは確認が必要な内容です。 確認してまいりますので、 少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか。
POINT
「その場で答えられない」より、 「間違った案内をする」方が問題です。
電話対応は「相手を迷わせない」が基本
電話では、 相手の表情が見えません。
そのため、 誰が対応しているのか、 今どういう状況なのかを 分かりやすく伝えることが重要です。
-
名乗る
所属先で決められた方法で、 会社名・店舗名・自分の名前などを伝えます。 -
相手と要件を確認する
必要に応じてお名前や要件を確認します。 -
必要な内容をメモする
お名前、連絡先、要件、 折り返し希望などを必要な範囲で記録します。 -
担当者不在時は次の対応を案内する
「いません」で終わらせず、 折り返し等の次の対応を伝えます。 -
折り返しを放置しない
約束した連絡を忘れず、 時間がかかる場合は必要に応じて状況を伝えます。 -
電話を切る前に確認する
次の対応や連絡予定を簡単に確認します。
会話例3|折り返し対応をする場合
担当者が現在不在のため、 確認のうえこちらから折り返しいたします。 遅くとも本日中には一度ご連絡します。
予定していた時間までに 回答できない場合でも、 連絡はできます。
確認にもう少し時間が必要なため、 先に状況だけご連絡しました。
POINT
回答がまだなくても、 状況を伝えることはできます。
メール・チャットは「相手を迷わせない」ために使う
メールやチャットでは、 文章を丁寧にすることだけが マナーではありません。
読んだ人が、 「何についての連絡か」 「自分は何をすればよいか」 が分かることが重要です。
- 件名を分かりやすくする
- 宛先を確認する
- 要件を簡潔に書く
- 次に何をしてほしいかを書く
- 返信を放置しない
POINT
メールは「丁寧さ」だけでなく、 相手が迷わず次の行動を取れることを 重視します。
報告・連絡・相談は、関係者を迷わせないために行う
報告・連絡・相談は、 上司に怒られないために行うものではありません。
仕事に関わる人が、 今どうなっているのかを把握し、 必要な対応を取れるようにするために行います。
- 何が起きたか
- 今どうなっているか
- 何を確認したいか
- いつまでに対応が必要か
例えば、
本日、契約内容についてお客様からお電話があり、 「聞いていた料金と違う」とのお申し出がありました。
現在は内容を確認して折り返すとお伝えしています。 契約時の説明内容を確認したいので、 対応方法をご相談させてください。
POINT
報連相は、 「関係者を迷わせない」ために行います。
約束した時間を守る
営業担当者は、 多くの約束をします。
- 折り返します
- 確認して連絡します
- ○時に訪問します
- ○日までに回答します
一度伝えた時間は、 相手にとって予定になります。
約束した時間に間に合わないことが分かった場合は、 期限を過ぎてからではなく、 分かった時点で連絡します。
POINT
予定変更そのものより、 「連絡がないこと」が 信頼を失わせる場合があります。
お客様が怒っている場合の基本姿勢
詳しいクレーム対応は、 別の研修で扱います。
ここでは最初の基本姿勢だけ確認します。
- 話を途中で遮らない
- 最初から言い訳しない
- 感情的に反論しない
- 分からないまま約束しない
- 必要に応じて上司・責任者へ相談する
注意
「必ず対応します」 「返金します」 など、 自分に判断できないことを その場で約束しないようにします。
お客様にだけ丁寧であればよいわけではありません
通信サービス営業では、 お客様以外にも多くの人と仕事をします。
- 店舗スタッフ
- 上司
- 事務担当
- 工事担当
- サポート担当
- 取引先
お客様の前では丁寧なのに、 スタッフには横柄という態度では、 良い連携はできません。
POINT
マナーは「お客様向けの演技」ではありません。
仕事で関わる人に対して、 相手の立場を考えて行動することが基本です。
こんな対応は避ける
NG
- 挨拶せず、いきなり商品説明を始める
- お客様の話を途中で遮る
- 専門用語ばかり使う
- 「確認します」と言ったまま放置する
- 「分かりません」で会話を終わらせる
- 折り返しを忘れる
- メールやチャットを何日も放置する
- お客様の前でスタッフに横柄な態度を取る
- お客様が断っているのに話し続ける
- クレーム時に最初から言い訳する
NGだけを覚えるのではなく、 その逆の行動を意識してください。
まとめ
- マナーは、相手への配慮を行動で示すこと
- お客様の状況を見てから声をかける
- 完璧な敬語より、分かりやすく安心できる対応をする
- 相手を何も言わずに待たせない
- 分からないことは確認し、次の対応まで伝える
- 折り返し・訪問・回答などの約束を守る
- 遅れる場合は、期限を過ぎる前に連絡する
- お客様だけでなく、社内外の関係者にも配慮する
- 待たせない・迷わせない・不快にさせない
理解度チェック
内容を理解できたか確認してみましょう。 回答はクリックすると表示されます。
Q1 お客様から分からない質問をされた場合、 頼りなく見えないように推測して回答した方がよいでしょうか?
回答を見る
分からない内容を無理に回答する必要はありません。 「確認してご案内します」と伝え、 正式な情報を確認します。
Q2 お客様へ 「本日中に折り返します」 と伝えましたが、 今日中に回答できないことが分かりました。 どうしますか?
回答を見る
回答がまだできなくても、 状況を伝えることはできます。 相手を待たせっぱなしにせず、 次の予定を伝えます。
Q3 お客様が契約内容について 強い口調で不満を伝えています。 自分の説明には問題がなかったと思っています。 まずどうしますか?
回答を見る
最初から反論や言い訳をするのではなく、 何に不満を感じているのかを確認します。 自分だけで判断できない場合は、 上司や責任者へ相談します。
関連する研修
✓ STEP1 完了
ここまでで、 新人研修STEP1の主要研修は完了です。
- このWEB研修マニュアルの使い方
- 通信サービス営業の役割と基本姿勢
- コンプライアンス
- 個人情報保護
- ビジネスマナー
営業担当者として仕事を始めるうえで必要となる、 基本的な考え方と行動ルールを学びました。